ケアプラン文例【大腿骨頸部骨折後・階段昇降】|自宅の段差を安全に移動する第1表・第2表の記入例

大腿骨頸部骨折後は、平地歩行が安定しても玄関や室内階段への不安が残り、生活範囲が狭くなることがあります。

本記事では、長年住み慣れた二階建て住宅での生活を続けたい本人について、手すりや見守りを活用しながら安全な昇降を目指す事例を紹介します。

ここでは、荷重方法や動作手順は一律に決めず、主治医・リハビリテーション専門職の評価と指示を計画に反映します。を例に紹介します。

階段昇降以外の移動・入浴・家事など、大腿骨頸部骨折後の生活課題に応じた文例は、ケアプラン文例一覧から探せます。

この記事が参考になるケース

  • 娘が週3回訪問し、本人の挑戦を支えたい一方、再転倒を心配している。

階段を使わないことだけを安全策とせず、本人が大切にしてきた裁縫を再開する目的と、現時点の昇降能力を確認する。

患側・健側の運び方や荷重範囲は術式や回復状況で異なるため、医師・理学療法士等が確認した方法を本人と家族で共有する。

利用者像の例

  • 82歳女性。大腿骨頸部骨折の手術後に自宅へ退院し、屋内は杖で移動している。
  • 寝室とトイレは1階に整えたが、長年使ってきた2階の裁縫部屋へ行きたい希望がある。
  • 手すりを握り一段ずつ昇降する力はあるが、方向転換時に不安が強く、急ぐと足の運びが乱れやすい。
  • 娘が週3回訪問し、本人の挑戦を支えたい一方、再転倒を心配している。

本人・家族の意向の文例

本人の意向

おすすめ文例

また2階の裁縫部屋で布を広げたい。手すりを使って、慌てずに上がれるようになりたい。

家族の意向

おすすめ文例

本人の楽しみは大切にしたい。安全な方法を一緒に覚え、最初はそばで見守りたい。

第1表の文例

利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果

おすすめ文例

本人は退院後も1階で身の回りのことを行い、杖と手すりを使えば自分のペースで移動できている。

一方、階段では方向転換と足の運びへの不安があり、現在は2階の裁縫部屋を利用できず、生活上の楽しみが減っている。

専門職が確認した昇降方法、休息、動線整備、家族の見守りを組み合わせ、本人の理解と選択を確かめながら生活範囲を広げる必要がある。

総合的な援助の方針

おすすめ文例

主治医等から示された荷重・動作上の留意点を確認し、理学療法士等の評価に基づく階段昇降方法を練習する。本人が疲労や痛みを伝え、無理をせず中止を選べるよう支援する。手すり、照明、段上の物品を確認し、娘は先回りして身体を引っ張らず、合意した位置で見守る。

別の表現|短めにまとめたい場合

専門職が確認した階段昇降方法と住環境を整え、本人が痛みや疲労を伝えて中止も選べるよう、家族が適切な位置で見守る。

第2表の文例

本人が裁縫を再開する目的を共有し、安全な階段昇降と疲労管理を段階的に支援する。

課題① 階段の上り下りに必要な力と方法を身につけ、住み慣れた家で自分らしい生活を続けたい。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

階段の上り下りに必要な力と方法を身につけ、住み慣れた家で自分らしい生活を続けたい。

長期目標

手すり等を活用し、安全を確認しながら必要な階段昇降ができる。

短期目標

専門職が確認した手順で、見守りのもと一往復できる。

サービス内容

理学療法士等が筋力、バランス、足の運び、疲労を評価し、本人に合う昇降方法を練習する。

課題② 転倒への不安を言葉にし、無理のないタイミングを自分で選びたい。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

転倒への不安を言葉にし、無理のないタイミングを自分で選びたい。

長期目標

体調に応じて実施・延期を判断し、危険を避けられる。

短期目標

昇降前に痛み、疲労、不安を伝え、休むか挑戦するか選べる。

サービス内容

支援者は本人の返答を待ち、体調確認と休息場所の確保を行い、中止の意思を尊重する。

課題③ 裁縫という役割と楽しみを再開したい。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

裁縫という役割と楽しみを再開したい。

長期目標

週に一度程度、裁縫部屋で好きな作業を楽しめる。

短期目標

娘の訪問日に2階へ行き、短時間布や道具に触れられる。

サービス内容

家族は必要物品を取りやすく整え、本人が行う工程を奪わず、合意した範囲で見守る。

第2表の完成イメージ

上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。

※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)長期目標短期目標サービス内容
階段の上り下りに必要な力と方法を身につけ、住み慣れた家で自分らしい生活を続けたい。手すり等を活用し、安全を確認しながら必要な階段昇降ができる。専門職が確認した手順で、見守りのもと一往復できる。理学療法士等が筋力、バランス、足の運び、疲労を評価し、本人に合う昇降方法を練習する。
転倒への不安を言葉にし、無理のないタイミングを自分で選びたい。体調に応じて実施・延期を判断し、危険を避けられる。昇降前に痛み、疲労、不安を伝え、休むか挑戦するか選べる。支援者は本人の返答を待ち、体調確認と休息場所の確保を行い、中止の意思を尊重する。
裁縫という役割と楽しみを再開したい。週に一度程度、裁縫部屋で好きな作業を楽しめる。娘の訪問日に2階へ行き、短時間布や道具に触れられる。家族は必要物品を取りやすく整え、本人が行う工程を奪わず、合意した範囲で見守る。

階段昇降のケアプラン作成ポイント

生活目的を明確にする

単に階段を上れることではなく、2階で何をしたいかを目標に反映する。

個別の動作方法を共有する

一般論で患側・健側の順序を固定せず、専門職が確認した本人固有の方法を記録する。

中止の選択を保障する

痛みや疲労がある日は延期できる計画とし、成功回数だけで評価しない。

文例を使うときのポイント

  • 住環境と本人の生活目的をアセスメントに追記して調整する。
  • 医療・リハビリ職の評価内容と禁忌事項をサービス担当者間で共有する。
  • 昇降の安定性だけでなく、本人の不安や楽しみの回復もモニタリングする。

まとめ

階段を一律に禁止するのではなく、本人が大切にする生活目的と現在の能力を結びつけて支援します。

専門職の評価、環境整備、見守り、中止の選択を組み合わせることで、安全と本人らしさの両立を図れます。

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