骨折後は外出や荷物運搬が難しくなり、買い物を家族へ任せることで本人の選択や地域とのつながりが減ることがあります。
本記事では、買い物メモ、歩行補助具、休憩、荷物の分担を取り入れ、本人が店で商品を選ぶ事例を紹介します。
ここでは、買い物を単なる物品調達ではなく、自己決定と生活参加の機会として位置づけます。を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 店内を長く歩くと疲れやすく、荷物を持っての方向転換には不安がある。
買い物を代行の要否だけで判断せず、献立決定、商品選択、支払い、運搬の各工程で本人ができることを確認する。
屋外歩行と補助具は専門職の評価を踏まえ、混雑、天候、路面、疲労に応じて予定を変更できる計画とする。
利用者像の例
- 77歳女性。大腿骨頸部骨折後、屋内は杖、屋外はシルバーカーを使って短距離を歩ける。
- 以前は週2回近所のスーパーへ行き、価格や旬を見て献立を決めていた。
- 退院後は長男が食料品を届けているが、本人は自分で魚や野菜を見て選びたいと話している。
- 店内を長く歩くと疲れやすく、荷物を持っての方向転換には不安がある。
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
自分の目で魚や野菜を選びたい。荷物は手伝ってもらい、疲れたら店で休みたい。
家族の意向
おすすめ文例
全部届ける方が安全だと思っていたが、本人が選ぶ楽しみを残せる方法を考えたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は献立を考え、商品を比較して選び、支払いを行う力を保っている。
長距離歩行と荷物運搬に不安があるため家族が全面代行し、本人の選択機会と外出意欲が低下している。
混雑を避けた時間帯、休憩、シルバーカー、家族による運搬を組み合わせ、本人が店内で選択できる機会を段階的に再開する必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が買いたい物と行きたい店を決め、外出の可否も体調に応じて選択する。理学療法士等と屋外歩行、店内移動、休憩方法を確認する。家族は荷物運搬を分担する一方、商品選択や支払いを本人に確認して代行し過ぎない。
別の表現|短めにまとめたい場合
本人が商品を選び支払う役割を保てるよう、安全な移動と休憩方法を整え、家族は荷物運搬など必要な部分を補う。
第2表の文例
買い物の工程を分け、本人の選択と地域生活への参加を支える。
課題① 自分で商品を見て選び、食べたい物を決めたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
自分で商品を見て選び、食べたい物を決めたい。
長期目標
無理のない頻度で店舗へ行き、自分で商品を選べる。
短期目標
家族同行で売場を一か所回り、魚または野菜を自分で選べる。
サービス内容
家族は本人の希望を聞き、選択を急がせず、必要な情報のみ伝える。
課題② 疲労と転倒に注意して店内を移動したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
疲労と転倒に注意して店内を移動したい。
長期目標
補助具と休憩を活用し、安全に買い物動作を行える。
短期目標
混雑の少ない時間にシルバーカーで移動し、疲れる前に休憩できる。
サービス内容
理学療法士等が屋外・店内歩行を評価し、休憩の目安と補助具の使用方法を共有する。
課題③ 重い荷物は頼みながら、自分でできる工程を続けたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
重い荷物は頼みながら、自分でできる工程を続けたい。
長期目標
商品選択と支払いを行い、運搬は家族等と分担できる。
短期目標
会計時に自分で支払い、重い袋は家族へ依頼できる。
サービス内容
家族や支援者は運搬を担い、本人が行える支払いと確認の時間を確保する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 自分で商品を見て選び、食べたい物を決めたい。 | 無理のない頻度で店舗へ行き、自分で商品を選べる。 | 家族同行で売場を一か所回り、魚または野菜を自分で選べる。 | 家族は本人の希望を聞き、選択を急がせず、必要な情報のみ伝える。 |
| 疲労と転倒に注意して店内を移動したい。 | 補助具と休憩を活用し、安全に買い物動作を行える。 | 混雑の少ない時間にシルバーカーで移動し、疲れる前に休憩できる。 | 理学療法士等が屋外・店内歩行を評価し、休憩の目安と補助具の使用方法を共有する。 |
| 重い荷物は頼みながら、自分でできる工程を続けたい。 | 商品選択と支払いを行い、運搬は家族等と分担できる。 | 会計時に自分で支払い、重い袋は家族へ依頼できる。 | 家族や支援者は運搬を担い、本人が行える支払いと確認の時間を確保する。 |
買い物支援のケアプラン作成ポイント
工程ごとに評価する
移動、選択、会計、運搬を分け、本人が担える部分を明確にする。
自己決定を目標にする
物が届くことだけでなく、自分で選べることを生活目標へ反映する。
疲労を翌日までみる
買い物中だけでなく帰宅後や翌日の痛み・疲労も確認して頻度を調整する。
文例を使うときのポイント
- 店舗までの距離、休憩場所、混雑時間を実際に確認する。
- 宅配や代行も選択肢として示し、本人が組み合わせを選べるようにする。
- 商品選択や献立づくりが継続できているかを評価する。
まとめ
買い物は物品調達だけでなく、本人の選択、役割、地域参加につながる生活行為です。
工程を分けて支援することで、安全を確保しながら本人が選ぶ機会を残せます。
関連するケアプラン文例
- 大腿骨頸部骨折後・転倒不安・外出
- 大腿骨頸部骨折後・家事・調理
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