大腿骨頸部骨折後に通所介護を再開する際は、送迎、乗降、長時間の座位、入浴、運動など一日の流れを具体的に確認する必要があります。
本記事では、本人が以前から親しんだ通所介護へ短時間から復帰し、友人との交流と運動を再開する事例を紹介します。
ここでは、利用再開を事業所側だけで決めず、本人の期待と不安を確認して支援内容を調整します。を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 長女は入浴まで再開してほしいと考えているが、本人はまず交流と運動から始めたい意向である。
通所再開の可否だけでなく、送迎、利用時間、座席、排泄、休息、入浴、活動参加を分けて本人の希望と能力を確認する。
運動量や入浴の再開時期は医療・リハビリ職の情報と事業所での評価を共有し、本人の体調と意向に応じて調整する。
利用者像の例
- 85歳女性。骨折前は週2回通所介護を利用し、体操と囲碁を楽しんでいた。
- 退院後は歩行器で屋内移動できるが、車両への乗降と長時間利用に不安がある。
- 本人は通所仲間に会いたい一方、疲れて迷惑をかけることを心配している。
- 長女は入浴まで再開してほしいと考えているが、本人はまず交流と運動から始めたい意向である。
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
囲碁の仲間に会いたい。最初は半日くらいで、疲れたら横になれると安心する。
家族の意向
おすすめ文例
交流が戻ってほしい。本人の希望を優先し、入浴は状態を見ながら相談したい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は歩行器移動が可能で、通所仲間との交流と体操再開への意欲がある。
車両乗降、長時間利用、疲労への不安があり、本人と家族で入浴再開の希望に差がある。
本人が優先する交流と運動から短時間で再開し、送迎、休息、排泄を整え、利用後の疲労を確認しながら活動を広げる必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人へ利用目的と不安を直接確認し、短時間利用から段階的に再開する。通所介護事業所と移動・乗降・休息方法、医療上の留意点を共有する。入浴等の追加は本人の希望と評価を確認し、家族だけの希望で決めない。
別の表現|短めにまとめたい場合
本人の利用目的と不安を確認し、事業所と移動・休息・医療上の注意点を共有して、短時間から無理なく通所介護を再開する。
第2表の文例
本人が望む交流と活動を中心に、短時間利用から無理なく通所介護を再開する。
課題① 親しい利用者と再会し、楽しみのある時間を持ちたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
親しい利用者と再会し、楽しみのある時間を持ちたい。
長期目標
通所介護で交流や囲碁を楽しみ、定期的に外出できる。
短期目標
短時間利用で囲碁仲間と過ごし、疲れた時は休息を申し出られる。
サービス内容
通所介護職員は本人の希望する席と活動を確認し、休息を選びやすい声かけを行う。
課題② 送迎車へ安全に乗り降りしたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
送迎車へ安全に乗り降りしたい。
長期目標
本人に合う介助と福祉用具で送迎車を利用できる。
短期目標
確認した手順で手すりを使い、急がず乗降できる。
サービス内容
事業所職員は乗降動作、座席、歩行器の収納を事前に確認し、本人の動作開始を待って介助する。
課題③ 利用後に疲れを残さず、活動を少しずつ増やしたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
利用後に疲れを残さず、活動を少しずつ増やしたい。
長期目標
体調に応じて利用時間と活動内容を調整し、継続利用できる。
短期目標
利用中に一度休息し、帰宅後と翌日の疲労を支援者へ伝えられる。
サービス内容
事業所は参加活動、休息、痛み、疲労を記録し、家族・ケアマネジャー・関係職種へ共有する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 親しい利用者と再会し、楽しみのある時間を持ちたい。 | 通所介護で交流や囲碁を楽しみ、定期的に外出できる。 | 短時間利用で囲碁仲間と過ごし、疲れた時は休息を申し出られる。 | 通所介護職員は本人の希望する席と活動を確認し、休息を選びやすい声かけを行う。 |
| 送迎車へ安全に乗り降りしたい。 | 本人に合う介助と福祉用具で送迎車を利用できる。 | 確認した手順で手すりを使い、急がず乗降できる。 | 事業所職員は乗降動作、座席、歩行器の収納を事前に確認し、本人の動作開始を待って介助する。 |
| 利用後に疲れを残さず、活動を少しずつ増やしたい。 | 体調に応じて利用時間と活動内容を調整し、継続利用できる。 | 利用中に一度休息し、帰宅後と翌日の疲労を支援者へ伝えられる。 | 事業所は参加活動、休息、痛み、疲労を記録し、家族・ケアマネジャー・関係職種へ共有する。 |
通所介護再開のケアプラン作成ポイント
一日の流れで確認する
送迎から帰宅後までを追い、負担が生じる場面を具体化する。
本人の利用目的を中心にする
入浴や運動を一括して再開せず、本人が望む交流等から組み立てる。
翌日の状態も評価する
利用中の安定だけでなく、帰宅後と翌日の痛み・疲労を確認する。
文例を使うときのポイント
- 事業所へ術後経過と医療・リハビリ職の留意点を共有する。
- 初回利用前に送迎車両や休息場所を本人と確認する。
- 利用時間や活動は固定せず、本人の反応に応じて段階的に見直す。
まとめ
通所介護再開では、本人が何を楽しみにしているかを起点に、一日の負担を細かく確認します。
短時間から始めて休息と情報共有を整えることで、交流と活動を無理なく取り戻せます。
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