ケアプラン文例【認知症・日中独居・留守番】|家族不在時の見守りを考える第1表・第2表の記入例

家族と同居していても、家族が仕事などで外出している間は、認知症のある本人が一人で過ごしているケースがあります。身の回りのことはある程度できていても、服薬、食事、火の扱い、突然の外出、体調不良など、家族がいない時間の生活に不安が生じることがあります。

ここでは、家族と同居しているものの、平日の日中は一人で留守番をしている認知症の利用者を例に、本人の「一人で過ごせる」という力を活かしながら、安全と家族の安心につなげる第1表・第2表のケアプラン文例を紹介します。

この記事が参考になるケース

  • 認知症があるが家族と同居している
  • 家族が仕事中の日中は本人が一人になる
  • 簡単な身の回りのことは自分で行える
  • 昼食を食べ忘れることがある
  • 服薬や予定の管理に不安がある
  • 一人で外へ出てしまうことを家族が心配している
  • 本人は「一人でも大丈夫」と考えている
  • 家族が仕事中も本人のことを気にしている

担当ケースに近い部分を選び、本人が一人で過ごす時間、できること、難しいこと、家族の生活状況などに合わせて調整してください。

※文例はそのまま使用するのではなく、本人の認知機能、身体機能、生活環境、一人になる時間、家族やサービスの支援状況に合わせて調整してください。

利用者像の例

  • 80歳・女性・要介護1
  • 長男夫婦と同居
  • 平日8時30分~17時頃までは長男夫婦が仕事で不在
  • アルツハイマー型認知症
  • 屋内歩行、食事、更衣、排泄は概ね自立
  • 簡単な洗濯物たたみや片付けは行える
  • 昼食を準備しても、食べることを忘れる日がある
  • 服薬したか分からなくなることがある
  • 近所へ出ようとして家族が帰宅時に不在だったことがある
  • 電話には出られるが、内容を覚えていないことがある
  • 本人は「一人でも困っていない」と話している
  • 通所介護週3回、訪問介護週1回利用

本人・家族の意向の文例

本人の意向

おすすめ文例|一人でできるという思いを大切にする場合

家族が仕事に行っている間くらいは自分で過ごせる。できることまで何でも手伝ってもらうのではなく、今まで通り自分でやりたい。

別の表現①|自宅で過ごすことを好む場合

毎日どこかへ出かけるより、家でテレビを見たり家のことをしたりして自分のペースで過ごしたい。

別の表現②|少し不安もある場合

一人で過ごすことはできると思うが、分からなくなったときに相談できる人がいると安心する。

家族の意向

おすすめ文例|仕事中の不安が大きい場合

本人ができることは続けてほしいが、仕事中に食事を忘れていないか、外へ出ていないかなどが気になっている。家族が不在でも安全に過ごせるようにしたい。

別の表現|仕事との両立を重視する場合

仕事を続けながら本人の生活も支えていきたい。日中のことを家族だけで心配し続けるのではなく、サービスの力も借りながら安心して働けるようにしたい。

第1表の文例

利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果

おすすめ文例

本人は食事、更衣、排泄など基本的な生活動作を概ね自分で行えており、家族不在時も自宅で自分のペースで過ごしたいと希望している。洗濯物をたたむなど家庭内で行える役割も残されており、「一人でも大丈夫」という思いが強い。一方、認知症による記憶力や見当識の低下から、昼食を食べ忘れることや服薬したか分からなくなることがあり、過去には家族の不在中に一人で外出したこともある。家族は仕事中も本人の状態を心配しており、仕事と介護の両立に負担を感じている。本人が行える生活動作や一人で過ごす力を活かしつつ、食事、服薬、外出等の困難な場面に具体的な支援を組み合わせ、家族が不在でも安心して生活できる環境を整える必要がある。

別の表現|本人の自立をより重視する場合

本人は認知症があるものの身の回りの多くのことは自ら行えており、家族が不在だからといって常時介助を必要としているわけではない。一方、昼食や服薬を忘れること、予定を勘違いすること、一人で外出した際に帰宅が遅くなることなど、認知機能低下による生活上のリスクがみられている。本人の能力を過小評価して生活を制限するのではなく、一人で安全に行えることと支援が必要なことを整理し、通所介護や訪問サービス、家族との連絡等を組み合わせて本人の自立した生活を支援する必要がある。

総合的な援助の方針

おすすめ文例

本人が自宅で自分らしく過ごしたいという思いを尊重し、現在自分で行えている生活動作や家庭内での役割を継続できるよう支援する。食事、服薬、予定管理等について本人が確認しやすい環境を整え、必要な時間帯には通所介護や訪問サービス等を活用する。本人が一人になる時間帯や外出傾向、体調変化について家族・関係職種で共有し、困った際に支援につながる連絡体制を整える。家族が仕事中も過度な不安を抱えず生活できるよう、本人の自立と安全、家族の就労継続の両面を支援する。

別の表現|短めにまとめたい場合

本人のできることを活かしながら、家族不在時にも安全に自宅で過ごせる環境を整える。食事・服薬・外出等の状況に応じて必要なサービスや見守りを組み合わせ、本人の自立した生活と家族の仕事・生活の両立を支援する。

第2表の文例

日中独居のケアプランでは、「一人にしないこと」を目標にするのではなく、本人が一人でも安全に行えることを活かし、難しい時間や場面を具体的に支援することが重要です。

課題① 家族がいない時間も自分のペースで過ごしたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

家族が仕事に出ている時間も、自分でできることを続けながら自宅で安心して過ごしたい。

ニーズの別表現|役割を重視する場合

家族がいない間も、洗濯物をたたむなど自分にできる家のことを続けて生活したい。

長期目標

必要な支援を受けながら、自分でできる生活動作や役割を続け、安心して自宅で過ごすことができる。

短期目標

家族不在時にも、更衣、排泄、簡単な家事など現在行えていることを自分で継続できる。

サービス内容

本人が自分で行える生活動作や家事を継続できるよう見守り、困難になった部分のみ支援する。本人の日中の過ごし方やできていることを家族・関係職種で共有する。

課題② 食事や薬を忘れず、体調を整えて過ごしたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

一人でいるときも食事や薬を忘れず、体調を崩さず元気に過ごしたい。

長期目標

食事や服薬が本人に合った方法で管理され、体調を安定させながら在宅生活を継続できる。

短期目標

分かりやすい準備や声かけ等を活用し、日中に必要な食事や服薬につながることができる。

サービス内容

本人が分かりやすい場所に昼食等を準備し、食事状況を確認する。服薬については本人の管理能力を確認し、家族や支援者による必要な確認を行う。状況に変化があれば関係者で支援方法を見直す。

課題③ 困ったときに一人で抱え込まず助けてもらいたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

一人で過ごしているときに困ったことがあっても、相談できる人につながり安心して過ごしたい。

長期目標

家族不在時にも必要な支援につながる体制が整い、安心して自宅で過ごすことができる。

短期目標

困ったときの連絡先や対応方法を本人・家族・支援者で共有し、必要時に支援につながることができる。

サービス内容

本人が困った際に連絡しやすい方法を本人・家族と確認する。家族の連絡先や関係サービスの連絡方法を分かりやすく整理し、本人の理解力に応じて活用できる方法を検討する。

課題④ 家族も仕事を続けながら安心して本人を支えたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

本人の生活を大切にしながら、家族も仕事中に過度な心配をせず、自分たちの生活を続けたい。

ニーズの別表現|仕事との両立を強調する場合

介護のために仕事を続けられなくなることなく、サービスを利用しながら本人との生活を支えたい。

長期目標

本人の安全が確保され、家族も仕事や自分たちの生活を維持しながら在宅介護を継続できる。

短期目標

家族不在時の本人の過ごし方や支援状況を把握でき、仕事中の不安が軽減する。

サービス内容

通所介護・訪問サービス等で確認した本人の状態を家族と共有する。家族の就労状況や負担についても定期的に確認し、本人が一人になる時間が長くなった場合や生活状況に変化がみられた場合にはサービス内容を再検討する。

第2表の完成イメージ

上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。

※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標 サービス内容
家族が仕事に出ている時間も、自分でできることを続けながら安心して自宅で過ごしたい。 自分でできる生活動作や役割を続け、安心して自宅で過ごすことができる。 更衣・排泄・簡単な家事等を自分で継続できる。 本人のできることを見守り、困難な部分のみ必要な支援を行う。
一人でいるときも食事や薬を忘れず、元気に過ごしたい。 食事・服薬が適切に管理され、体調を安定させて生活できる。 分かりやすい準備や確認を活用して、必要な食事・服薬につながる。 食事・服薬状況を確認し、本人に合った管理方法を整える。
一人のときに困ったことがあっても、誰かに相談して安心して過ごしたい。 家族不在時にも必要な支援につながる体制が整い、安心して生活できる。 困った際の連絡・対応方法を関係者で共有できる。 本人が利用しやすい連絡方法や支援体制を整える。
本人の生活を大切にしながら、家族も仕事を続け安心して生活したい。 本人の安全と家族の仕事・生活が両立し、在宅生活を継続できる。 本人の日中の状態が把握でき、家族の仕事中の不安が軽減する。 サービス利用時の状態を共有し、家族の就労状況も含めて支援体制を見直す。

認知症・日中独居・留守番のケアプランで意識したいポイント

「一人だから危険」と決めつけない

家族が不在でも、排泄、更衣、テレビを見る、簡単な家事をするなど、自分で行えることが多く残されている場合があります。「日中一人」という事実だけで判断せず、一人で何ができ、どこに支援が必要なのかを具体的に確認します。

見守りが必要な場面を具体化する

「見守りが必要」と書くだけでは支援内容が曖昧です。昼食を忘れる、服薬を重複する、外出後に帰宅できないなど、実際に心配される場面を整理して支援方法につなげます。

本人の日課や役割を残す

本人に何もさせず、ただ家の中で待ってもらう生活では活動量や生活意欲が低下する可能性があります。洗濯物たたみ、新聞、テレビ、簡単な片付けなど、本人が日中に行える役割や楽しみを生活に残します。

一人になる時間帯と長さを見る

1~2時間の留守番と朝から夕方までの留守番では必要な支援が異なります。家族が出勤する時間、帰宅時間、サービス利用時間を整理し、実際に本人だけになる時間を確認します。

「仕事か介護か」の二択にしない

家族が仕事を辞めて常時本人を見守ることだけが解決策ではありません。本人の能力を活かしながら、通所介護や訪問サービス等を組み合わせ、家族が仕事や自身の生活を継続できることも重要な支援目標です。

状態変化に応じて「一人で過ごせる時間」を見直す

現在は問題なく留守番できていても、認知機能や身体機能、食事・服薬・外出状況の変化によって必要な支援は変わります。一度決めた体制を固定せず、本人の変化に合わせて見直します。

文例を使うときのポイント

  • 本人が実際に一人になる曜日・時間帯を確認する
  • 一人でできることと支援が必要なことを分けて整理する
  • 食事・服薬・外出など具体的な不安要因を確認する
  • 本人の日中の役割や楽しみをケアプランに残す
  • 「見守り」という言葉だけでなく具体的な支援を書く
  • 家族の仕事や生活もケアプラン上の重要な視点として考える
  • 通所・訪問サービス等を本人の生活に合わせて組み合わせる
  • 状態変化に応じて日中独居の時間や支援体制を見直す

まとめ

認知症のある利用者が日中一人で過ごしている場合、「一人でいること」そのものを問題にするのではなく、本人が何を自分で行え、どの場面で支援が必要なのかを具体的に整理することが重要です。

本人が自宅で自分のペースを保ち、できる生活動作や役割を続けながら、食事・服薬・外出等の難しい部分を必要なサービスで補うことで、本人の自立と安全を両立できます。同時に、家族が仕事や自身の生活を続けられることも、長期的な在宅生活を支える重要な視点となります。

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