ケアプラン文例【パーキンソン病・疲れやすい】|活動耐久性が低下した場合の第1表・第2表の記入例

パーキンソン病のある利用者では、身の回りのことや家事を行う力が残っていても、動作に時間がかかり、途中で疲れて活動を続けにくくなることがあります。

疲れやすくなると、本人や家族が「もうできない」と考えて活動そのものを減らしてしまい、生活範囲や役割が狭くなることもあります。

ここでは、パーキンソン病により疲れやすさがみられるものの、休憩を取りながら家事や外出など今までの生活を続けたい利用者を例に、第1表・第2表のケアプラン文例を紹介します。

この記事が参考になるケース

  • 以前より活動すると疲れやすくなった
  • 家事を途中で休むことが増えている
  • 外出すると帰宅後に強く疲れる
  • 一日の後半になると動作が遅くなる
  • 家族が疲労を心配して活動を止めることが増えている
  • 休憩を取れば再び活動できる
  • 本人は今までの家事や外出をできるだけ続けたい

担当ケースに近い部分を選び、疲れやすい活動、時間帯、休憩による回復、服薬状況、本人の役割や希望などに合わせて調整してください。

※急激に疲れやすくなった、息苦しさや胸部症状、発熱、食事量の著しい低下などがみられる場合には、パーキンソン病による疲労だけと考えず、必要に応じて医療職等へ相談してください。

利用者像の例

  • 74歳・女性・要介護2
  • 夫と二人暮らし
  • パーキンソン病
  • 食事・排泄・更衣は概ね自立
  • 屋内は杖等を使用して移動している
  • 洗濯物を畳む、食器を片付けるなどの家事を続けている
  • 家事を続けて行うと途中で疲れて座り込むことがある
  • 少し休むと再び動くことができる
  • 午後になると動作が遅くなりやすい
  • 買い物へ行くと帰宅後に長時間休むことが増えている
  • 夫は本人の疲労を心配し、家事や外出を控えるよう勧めている
  • 本人は「全部やめるのではなく、できることは続けたい」と話している
  • 以前から家のことを自分で行うことを大切にしてきた

本人・家族の意向の文例

本人の意向

おすすめ文例|休みながら活動したい場合

以前より疲れやすくなったが、休みながらでも自分でできる家事や身の回りのことは続けたい。

別の表現①|役割を続けたい場合

何もしない生活にはしたくないので、体調に合わせて家の中で自分の役割を続けたい。

別の表現②|外出を続けたい場合

疲れない範囲で休憩を取りながら、買い物や外出も続けたい。

家族の意向

おすすめ文例|無理をしてほしくない場合

無理をして疲れ切ってしまうことは心配だが、本人がやりたいことまで全部止める必要はないと思っている。

別の表現|活動量の加減を知りたい場合

どこまで動いてよいのか分からないので、休憩を入れながら安全に活動できる方法を知りたい。

第1表の文例

利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果

おすすめ文例

本人は夫と住み慣れた自宅で生活し、疲れやすさがあっても、自分でできる家事や生活動作を今後も続けたいと希望している。

現在も洗濯物を畳む、食器を片付けるなどの家事を行えているが、活動を続けると疲労が強くなり、途中で休むことが増えている。

一方、休憩を取ることで再び活動できることも多く、すべての活動が困難になっているわけではない。

夫は本人の疲労を心配して家事や外出を控えるよう勧めているが、本人は何もしない生活にはしたくないという思いを持っている。

本人が疲労しやすい活動や時間帯、休憩による回復状況を確認し、活動と休息のバランスを取りながら本人が大切にしてきた家事や外出を継続できるよう支援する必要がある。

別の表現|活動と休息のバランスを重視する場合

本人は活動耐久性の低下がみられるものの、休憩を取りながらであれば家事や外出等を行うことができている。

疲労を理由に活動をすべて制限するのではなく、本人が無理なく継続できる活動量と休息方法を整え、生活上の役割や活動機会を維持する必要がある。

総合的な援助の方針

おすすめ文例

本人が疲れやすさと付き合いながら、自分でできる家事や生活活動を継続できるよう支援する。

活動による疲労の程度、時間帯、休憩後の回復状況を確認し、本人に合った活動と休息の取り方を整理する。

家事や外出を一度に行わず、休憩や活動の分割を取り入れながら、本人が生活上の役割を継続できるよう支援する。

家族にも本人が行える活動量を共有し、疲労を心配するあまり必要以上に活動を制限しないよう支援する。

別の表現|短めにまとめたい場合

本人の疲労状態を確認し、活動と休息のバランスを取りながら家事や外出等の生活活動を継続できるよう支援する。

本人が無理なく行える活動量を家族と共有し、本人の役割や自立した生活を維持する。

第2表の文例

疲れやすさがある場合には、「疲れずに何でもできること」を目標にするのではなく、本人が休憩を取りながら必要な活動を続けられることを目標として考えます。

課題① 休みながら自分でできることを続けたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

疲れたときには休みながら、自分でできる身の回りのことを続けたい。

ニーズの別表現|自立を重視する場合

疲れやすくなっても、全部してもらうのではなく自分でできることは自分で続けたい。

長期目標

本人が疲労状態に合わせて活動と休息を調整し、自分で行える生活動作を継続できる。

短期目標

疲れを感じた際に無理を続けず、適切に休憩してから活動を再開できる。

サービス内容

本人が疲労しやすい活動と時間帯を確認し、休憩を取り入れながら自分で行える生活動作を継続できるよう支援する。

課題② 家の中で自分の役割を続けたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

無理のない範囲で家事を続け、家庭の中で自分の役割を持ち続けたい。

長期目標

本人が体調に合わせた家事を継続し、家庭内で役割を持って生活できる。

短期目標

洗濯物を畳む、食器を片付けるなど本人が負担なく行える家事を継続できる。

サービス内容

本人が続けたい家事と疲労の程度を確認し、一度に行う量や時間を調整しながら役割を継続できるよう支援する。

課題③ 疲れすぎず買い物や外出を続けたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

帰宅後に疲れ切ってしまわないよう休みながら、買い物や外出を続けたい。

長期目標

本人の体力に合った方法で外出し、生活範囲や社会とのつながりを維持できる。

短期目標

外出時間や距離、休憩を調整し、強い疲労を残さず外出できる。

サービス内容

外出前後の疲労状態を確認し、本人に合った距離、時間、休憩場所等を検討する。

課題④ 夫も心配しすぎず本人の活動を支えたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

夫も疲れることを心配して本人の活動を止めすぎず、無理のない範囲で続けられるよう支えたい。

長期目標

本人が適切に休憩しながら活動でき、夫も過度な不安を抱えず本人の自立を支援できる。

短期目標

本人が無理なく行える活動と休憩が必要な状態を本人・夫・関係者で共有できる。

サービス内容

本人の疲労の現れ方と休憩後の回復状況を家族と共有し、安全に行える活動は本人に任せられるよう支援する。

第2表の完成イメージ

上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。

※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標 サービス内容
疲れたときには休みながら、自分でできることを続けたい。 疲労に合わせて活動と休息を調整し、生活動作を継続できる。 疲労時に休憩し、回復後に活動を再開できる。 疲労しやすい活動・時間帯を確認し、休憩を取り入れて支援する。
無理のない範囲で家事を続け、家庭で自分の役割を持ちたい。 体調に合わせた家事を継続し、家庭内で役割を持って生活できる。 負担の少ない家事を継続できる。 家事量や時間を調整し、本人が役割を続けられるよう支援する。
疲れすぎず買い物や外出を続けたい。 体力に合った方法で外出し、生活範囲を維持できる。 距離や休憩を調整し、強い疲労を残さず外出できる。 外出前後の疲労を確認し、時間・距離・休憩方法を調整する。
夫も心配しすぎず、本人の活動を支えたい。 本人が適切に休憩しながら活動し、夫も無理なく支援できる。 安全に行える活動と休息が必要な状態を共有できる。 疲労と回復状況を家族と共有し、必要以上の活動制限を避ける。

パーキンソン病・疲れやすい場合のケアプランで意識したいポイント

「できる・できない」だけで評価しない

活動を最後まで連続して行えなくても、途中で休憩すれば再開できる場合があります。活動耐久性を含めて評価します。

疲れるまでの時間を見る

何分程度の活動で疲れるのか、どの活動で疲労が強いのかを確認すると、本人に合った活動量を考えやすくなります。

休憩後に回復するか確認する

疲労がみられても、短時間の休憩で再び活動できる場合があります。休憩による回復状況も大切な情報です。

一日の時間帯による違いを見る

午前中は活動しやすいが午後は疲れやすいなど、一日の中でも状態が変化する場合があります。本人が動きやすい時間帯を生活に活かします。

活動を分けて行う

家事や外出を一度にすべて行うのではなく、活動をいくつかに分けて休憩を挟むことで継続しやすくなることがあります。

疲労を理由に役割を奪わない

家族が心配して家事をすべて代わると、本人が生活の中で身体を動かす機会や役割が減る場合があります。本人が続けたいことを確認します。

生活全体の疲労を確認する

一つの活動だけではなく、入浴、通院、外出、家事等が同じ日に重なっていないかなど、一日の生活全体から負担を確認します。

文例を使うときのポイント

  • どの活動で疲れやすいか確認する
  • どの程度の時間で疲れるかを見る
  • 休憩後に活動を再開できるか確認する
  • 午前・午後など時間帯による違いを見る
  • 活動を分けて行えるか検討する
  • 本人が続けたい家事や役割を確認する
  • 外出後の疲労まで確認する
  • 家族が活動を制限しすぎていないかを見る

まとめ

パーキンソン病のある利用者が疲れやすくなった場合には、「もうできない」と判断するのではなく、どの程度の活動で疲れ、どのように休めば再び活動できるのかを確認することが重要です。

活動を分けたり休憩を取り入れたりすることで、本人が家事や外出など今までの生活を続けられる場合があります。

疲労を避けることだけを目的に活動を減らすのではなく、本人に合った活動と休息のバランスを作り、本人の役割や生活範囲を維持することが、その人らしいケアプランにつながります。

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