失語症の訪問リハビリでは、正答を増やすだけでなく、本人が生活の中で希望や困り事を伝えられる方法を家族と整えます。
本記事では、失語症の方が短い言葉・指差し・写真で買い物の希望を伝えるケアプランを紹介します。夫の待ち方と確認方法を含め、第1表・第2表で家庭内の相談への参加を支えます。
この記事が参考になるケース
- 70代女性。脳梗塞後の失語症があり夫と二人暮らし。短い言葉と指差しは可能だが、急かされると伝えることを諦めてしまう。
- 本人は「自分の希望を夫に伝え、一緒に買い物の相談をしたい。」と希望している。
- 家族は「言葉を先取りせず、本人の言いたいことを理解したい。」と考えている。
訪問リハビリテーションは主治医の指示に基づき、本人の状態と生活目標に合わせて事業所・関係職種と内容を確認します。
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
自分の希望を夫に伝え、一緒に買い物の相談をしたい。
家族の意向
おすすめ文例
言葉を先取りせず、本人の言いたいことを理解したい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
70代女性。脳梗塞後の失語症があり夫と二人暮らし。短い言葉と指差しは可能だが、急かされると伝えることを諦めてしまう。
本人には「自分の希望を夫に伝え、一緒に買い物の相談をしたい。」という希望があり、現在行えていることと生活上の役割を生かす必要がある。
言語聴覚士等が理解、発話、読み書き、指差しを評価し、写真や選択肢を用いた伝達方法を練習する。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が短い言葉・指差し・写真を組み合わせて買い物の希望を夫へ伝えられるよう、訪問リハビリテーションが理解と表出の方法を評価し、夫と待つ時間・確認方法・会話道具の使い方を共有します。
別の表現|短めにまとめたい場合
短い言葉・指差し・写真を使い、本人が買い物の希望を夫へ伝えられるよう支援します。
第2表の文例
サービスを利用すること自体ではなく、本人が望む生活を続けられることを目標にします。
課題① 自分の希望を家族へ伝えたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
自分の希望を家族へ伝えたい。
長期目標
複数の手段を使い、日常の希望や困り事を表現できる。
短期目標
短い言葉と指差しで食べたい物を選べる。
サービス内容
言語聴覚士等が理解、発話、読み書き、指差しを評価し、写真や選択肢を用いた伝達方法を練習する。
課題② 買い物の相談に参加したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
買い物の相談に参加したい。
長期目標
家庭内の意思決定へ参加し、本人らしい役割を続けられる。
短期目標
写真付きの買い物メモから必要な品を選べる。
サービス内容
実際の広告や商品写真を使い、本人が選択・確認しやすい買い物相談の手順を夫と整える。
課題③ 夫に言葉を急かさず待ってほしい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
夫に言葉を急かさず待ってほしい。
長期目標
夫婦が互いの負担を減らし、会話を楽しめる。
短期目標
夫が短く尋ね、選択肢を示して本人の反応を待てる。
サービス内容
先取りや訂正を減らし、理解確認、待ち時間、はい・いいえで答えられる質問を夫へ助言する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 自分の希望を家族へ伝えたい。 | 複数の手段を使い、日常の希望や困り事を表現できる。 | 短い言葉と指差しで食べたい物を選べる。 | 言語聴覚士等が理解、発話、読み書き、指差しを評価し、写真や選択肢を用いた伝達方法を練習する。 |
| 買い物の相談に参加したい。 | 家庭内の意思決定へ参加し、本人らしい役割を続けられる。 | 写真付きの買い物メモから必要な品を選べる。 | 実際の広告や商品写真を使い、本人が選択・確認しやすい買い物相談の手順を夫と整える。 |
| 夫に言葉を急かさず待ってほしい。 | 夫婦が互いの負担を減らし、会話を楽しめる。 | 夫が短く尋ね、選択肢を示して本人の反応を待てる。 | 先取りや訂正を減らし、理解確認、待ち時間、はい・いいえで答えられる質問を夫へ助言する。 |
訪問リハビリテーションのケアプラン作成ポイント
本人の生活目標から位置づける
訓練の実施自体を目標にせず、本人が自宅で続けたい動作や役割を確認します。
訓練と生活をつなぐ
商品を選ぶ役割は本人に任せ、夫は分かりやすい写真や実物を示して反応を待ちます。「はい・いいえ」が本人の意図と一致しているかも言語聴覚士と確認し、発話の難しさだけで理解力を判断しません。伝わらない時は夫の推測で確定せず、別の手段で本人に確かめます。
変化と連絡方法を共有する
本人が選べた商品、使った伝達手段、夫が先取りした場面、途中で諦めた場面を記録します。発話数だけでなく、本人の希望が買い物に反映されたかと双方の負担を評価します。写真で選べても言葉だけでは難しいなど条件の差を共有し、使いやすい方法を残します。
文例を使うときのポイント
- 発話量だけで評価せず、本人が生活上の選択へ参加できたか、家族が理解できたかを確認します。
- 本人と家族の意向を分けて確認します。
- 病状・生活・サービス提供状況の変化に応じて見直します。
まとめ
会話では答えを急がず、本人が選ぶ時間を確保します。伝わった内容と誤りやすい場面を記録し、写真や指差しの使い方を夫とそろえます。


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