同居家族がいる場合の生活援助は、同居しているという理由だけで一律に判断せず、本人の状態、家族の就労・疾病・介護力、支援の必要性、地域の取扱いを個別に確認します。
本記事では、片麻痺のある本人と、就労・腰痛により家事の負担が大きい同居の息子を想定します。同居だけで生活援助の可否を決めず、本人の家事能力、家族が担えない工程、必要な支援範囲を第1表・第2表の文例に整理します。
この記事が参考になるケース
- 80代女性。息子と同居しているが、息子は日中就労し腰痛もある。本人は片麻痺で掃除・調理が難しく、座って食材を切ることはできる。
- 本人は「息子に無理をさせず、自分もできる家事へ参加して暮らしたい。」と希望している。
- 家族は「仕事と健康を守りながら、母との生活を続けたい。」と考えている。
サービスの利用可否・提供範囲・医療的支援は、保険者、事業所、主治医等へ確認します。
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
息子に無理をさせず、自分もできる家事へ参加して暮らしたい。
家族の意向
おすすめ文例
仕事と健康を守りながら、母との生活を続けたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
80代女性。息子と同居しているが、息子は日中就労し腰痛もある。本人は片麻痺で掃除・調理が難しく、座って食材を切ることはできる。
本人には「息子に無理をさせず、自分もできる家事へ参加して暮らしたい。」という希望があり、現在行えていることと生活上の役割を生かす必要がある。
訪問介護員が本人の日常生活に必要な家事を確認し、本人と共同で調理・掃除を行う。難しい工程のみ支援する。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が座位で行える下ごしらえや衣類整理を続け、同居する息子の就労・腰痛・家事負担と地域の取扱いを確認したうえで、訪問介護が本人の日常生活に必要な調理・掃除の難しい部分を補い、親子の生活を支援します。
別の表現|短めにまとめたい場合
本人の「息子に無理をさせず、自分もできる家事へ参加して暮らしたい。」という希望を尊重し、座位で下ごしらえまたは衣類整理へ参加できることを目標に、訪問介護と家族・関係職種で支援方法を共有します。
第2表の文例
サービスを利用すること自体ではなく、本人が望む生活を続けられることを目標にします。
課題① 自分ができる家事に参加し、息子と自宅で暮らしたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
自分ができる家事に参加し、息子と自宅で暮らしたい。
長期目標
本人の役割と必要な生活援助が両立し、親子の在宅生活を継続できる。
短期目標
座位で下ごしらえまたは衣類整理へ参加できる。
サービス内容
訪問介護員が本人の日常生活に必要な家事を確認し、本人と共同で調理・掃除を行う。難しい工程のみ支援する。
課題② 息子が就労と健康を保ちながら家事を分担したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
息子が就労と健康を保ちながら家事を分担したい。
長期目標
家族へ負担が集中せず、無理のない役割分担を継続できる。
短期目標
息子が担える家事と難しい家事を本人・介護員と確認できる。
サービス内容
息子の就労時間、腰痛、家事状況を確認し、本人・家族・訪問介護の役割を具体的に整理する。
課題③ 利用できる生活援助の範囲を理解したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
利用できる生活援助の範囲を理解したい。
長期目標
制度上の取扱いを理解し、必要な支援を適切に利用できる。
短期目標
ケアマネジャーから必要性と提供範囲の説明を受け、同意できる。
サービス内容
ケアマネジャーが個別の必要性を整理し、保険者・事業所へ取扱いを確認してケアプランへ位置づける。状況変化時に見直す。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 自分ができる家事に参加し、息子と自宅で暮らしたい。 | 本人の役割と必要な生活援助が両立し、親子の在宅生活を継続できる。 | 座位で下ごしらえまたは衣類整理へ参加できる。 | 訪問介護員が本人の日常生活に必要な家事を確認し、本人と共同で調理・掃除を行う。難しい工程のみ支援する。 |
| 息子が就労と健康を保ちながら家事を分担したい。 | 家族へ負担が集中せず、無理のない役割分担を継続できる。 | 息子が担える家事と難しい家事を本人・介護員と確認できる。 | 息子の就労時間、腰痛、家事状況を確認し、本人・家族・訪問介護の役割を具体的に整理する。 |
| 利用できる生活援助の範囲を理解したい。 | 制度上の取扱いを理解し、必要な支援を適切に利用できる。 | ケアマネジャーから必要性と提供範囲の説明を受け、同意できる。 | ケアマネジャーが個別の必要性を整理し、保険者・事業所へ取扱いを確認してケアプランへ位置づける。状況変化時に見直す。 |
訪問介護のケアプラン作成ポイント
本人の生活目標から位置づける
サービス利用自体を目標にせず、本人が続けたい暮らし、役割、参加を確認します。
本人ができることを生かす
本人が座って行える下ごしらえを残し、立位や運搬が必要な家事と分けます。息子についても「仕事がある」だけでなく、不在時間、腰痛で難しい動作、現に担っている家事を整理します。支援後に食事や衛生が保てたか、本人の参加と家族負担がどう変わったかを確認します。
本人・家族・事業所の分担が続けられるか確認する
本人の家事能力、息子の就労・疾病・家事負担、共同実施、生活援助の必要性と範囲、家族関係を確認します。
文例を使うときのポイント
- 同居家族の有無だけで給付の可否を決めず、本人に必要な家事と家族が担うことの難しい理由を具体化し、保険者へ確認します。家族分の家事代行と本人への支援を混同せず、共同で行う支援についても実施内容に応じたサービス区分を事業所と確認します。
- 本人と家族の意向を分けて確認します。
- 体調・生活・サービス提供状況の変化に応じて見直します。
まとめ
同居の有無だけで判断せず、本人ができる家事と息子が担えない工程を整理します。地域の取扱いを確認し、必要な生活援助の範囲を決めます。


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