公共交通の利用には、停留所までの歩行、待機、乗降、支払い、混雑への対応が必要です。本人の目的に沿って実際の環境で段階的に確認します。
本記事では、片麻痺がある方がバスで図書館へ通うための訪問リハビリのケアプランを紹介します。停留所までの歩行から乗降・支払い・帰路までを第1表・第2表で整理します。
この記事が参考になるケース
- 70代男性。脳梗塞後の軽い左片麻痺があり一人暮らし。杖歩行は安定しているが、バスの段差とICカード操作に不安があり外出を控えている。
- 本人は「バスを使って図書館へ行き、読書を続けたい。」と希望している。
- 家族は「安全に乗降でき、困った時に助けを求められるようにしたい。」と考えている。
訪問リハビリテーションは主治医の指示に基づき、本人の状態と生活目標に合わせて事業所・関係職種と内容を確認します。
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
バスを使って図書館へ行き、読書を続けたい。
家族の意向
おすすめ文例
安全に乗降でき、困った時に助けを求められるようにしたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
70代男性。脳梗塞後の軽い左片麻痺があり一人暮らし。杖歩行は安定しているが、バスの段差とICカード操作に不安があり外出を控えている。
本人には「バスを使って図書館へ行き、読書を続けたい。」という希望があり、現在行えていることと生活上の役割を生かす必要がある。
歩道、交差点、坂、距離、時間帯を評価し、杖と履物を調整して実地練習する。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が杖とICカードを使って図書館へのバス外出を再開できるよう、訪問リハビリテーションが停留所までの経路・待機・乗降・支払いを実地評価し、家族や交通機関と必要な支援方法を整えます。
別の表現|短めにまとめたい場合
図書館への往復で歩行・乗降・支払いを評価し、必要な同行と援助要請の方法を整えます。
第2表の文例
サービスを利用すること自体ではなく、本人が望む生活を続けられることを目標にします。
課題① 安全にバス停まで歩きたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
安全にバス停まで歩きたい。
長期目標
自宅から停留所まで杖で移動できる。
短期目標
安全な経路と休憩場所を確認して歩ける。
サービス内容
歩道、交差点、坂、距離、時間帯を評価し、杖と履物を調整して実地練習する。
課題② バスへ安全に乗り降りしたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
バスへ安全に乗り降りしたい。
長期目標
公共交通を利用して図書館へ外出できる。
短期目標
手すりを使い、足順を確認して乗降できる。
サービス内容
実際の車両で段差、手すり、座席までの移動を確認し、必要時は乗務員への依頼方法を練習する。
課題③ 支払いと困った時の対応を身につけたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
支払いと困った時の対応を身につけたい。
長期目標
一人でも必要な助けを求め、安心して外出できる。
短期目標
ICカードと連絡先を準備し、援助依頼を伝えられる。
サービス内容
カード操作、時刻表、携帯電話、ヘルプカード等を確認し、家族・ケアマネジャーと段階的な単独利用を検討する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 安全にバス停まで歩きたい。 | 自宅から停留所まで杖で移動できる。 | 安全な経路と休憩場所を確認して歩ける。 | 歩道、交差点、坂、距離、時間帯を評価し、杖と履物を調整して実地練習する。 |
| バスへ安全に乗り降りしたい。 | 公共交通を利用して図書館へ外出できる。 | 手すりを使い、足順を確認して乗降できる。 | 実際の車両で段差、手すり、座席までの移動を確認し、必要時は乗務員への依頼方法を練習する。 |
| 支払いと困った時の対応を身につけたい。 | 一人でも必要な助けを求め、安心して外出できる。 | ICカードと連絡先を準備し、援助依頼を伝えられる。 | カード操作、時刻表、携帯電話、ヘルプカード等を確認し、家族・ケアマネジャーと段階的な単独利用を検討する。 |
訪問リハビリテーションのケアプラン作成ポイント
本人の生活目標から位置づける
訓練の実施自体を目標にせず、本人が自宅で続けたい動作や役割を確認します。
訓練と生活をつなぐ
杖や手すりで支持しながらカードを出せるかを確認し、カードを取り出しやすい場所に準備します。本人ができる支払いは任せ、乗降時に支えが必要なら同行を続けます。屋外練習は居宅からの一連の行為として、目的・頻度等を訪問リハビリ計画へ記録し、実施範囲を事業所と確認します。
変化と連絡方法を共有する
乗降やカード操作で支援を求めた場面、車内移動のふらつき、帰路の疲労、帰宅後の体調を記録します。往路だけできたことで単独利用とせず、混雑時・乗り遅れ時にも助けを求められるかを確認して同行範囲を見直します。図書館で読書する時間を持てたかも評価します。
文例を使うときのポイント
- 歩行能力だけでなく時刻表理解、支払い、混雑、天候、援助要請、帰路の疲労まで評価します。
- 本人と家族の意向を分けて確認します。
- 病状・生活・サービス提供状況の変化に応じて見直します。
まとめ
本人が杖とICカードを使って図書館へのバス外出を再開できるよう、訪問リハビリテーションが停留所までの経路・待機・乗降・支払いを実地評価し、家族や交通機関と必要な支援方法を整えます。


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