老老介護では、配偶者が更衣・排泄・食事等をすべて担うことで、双方の体調が悪化することがあります。朝夕の負担が集中する時間に訪問介護を位置づけ、夫婦それぞれの役割と休息を整えます。
本記事では、朝夕の介助を担う妻に腰痛と睡眠不足がある80代夫婦の訪問介護の文例を紹介します。本人が行える身支度と介助が必要な工程を分け、妻の休息と夫婦の生活を支える第1表・第2表を示します。
この記事が参考になるケース
- 80代夫婦。夫に移動と更衣の介助が必要で、妻が朝の身支度と夕方の排泄・就寝準備を担っている。妻は腰痛と睡眠不足を訴えている。
- 本人は「妻に無理をさせず、できることは自分で行って自宅で暮らしたい。」と希望している。
- 家族は「夫婦の時間を保ち、介護だけの生活にならないよう支援を受けたい。」と考えている。
サービスの利用可否・提供範囲・医療的支援は、保険者、事業所、主治医等へ確認します。
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
妻に無理をさせず、できることは自分で行って自宅で暮らしたい。
家族の意向
おすすめ文例
夫婦の時間を保ち、介護だけの生活にならないよう支援を受けたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
80代夫婦。夫に移動と更衣の介助が必要で、妻が朝の身支度と夕方の排泄・就寝準備を担っている。妻は腰痛と睡眠不足を訴えている。
本人には「妻に無理をさせず、できることは自分で行って自宅で暮らしたい。」という希望があり、現在行えていることと生活上の役割を生かす必要がある。
訪問介護員が本人の動作を待ち、立位を見守る。下衣・排泄等の難しい部分を介助し、妻へ過度な介助を求めない。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
夫の起き上がり・立位・更衣の各動作で自分で行える部分を確認して生かし、訪問介護員が朝夕に負担の大きい排泄・更衣・食事準備を補い、妻の腰痛と休息を確認しながら夫婦それぞれの生活を守って在宅生活を続けられるよう支援します。
別の表現|短めにまとめたい場合
夫が行える身支度を生かし、朝夕に妻へ集中する介助を訪問介護で補います。妻が実際に休めた時間と訪問外に残る負担を確認し、夫婦で過ごす時間を保てるよう支援を調整します。
第2表の文例
サービスを利用すること自体ではなく、本人が望む生活を続けられることを目標にします。
課題① 妻に頼りきらず、自分の力を使って身支度したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
妻に頼りきらず、自分の力を使って身支度したい。
長期目標
必要な介助を受けながら本人の動作を保ち、夫婦で在宅生活を続けられる。
短期目標
朝の訪問時に起き上がりと上衣更衣を自分で行える。
サービス内容
訪問介護員が本人の動作を待ち、立位を見守る。下衣・排泄等の難しい部分を介助し、妻へ過度な介助を求めない。
課題② 妻が腰痛を悪化させず介護を続けたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
妻が腰痛を悪化させず介護を続けたい。
長期目標
妻の健康と休息が保たれ、介護負担が一人に集中しない。
短期目標
妻が朝夕の介助を訪問介護員へ任せ、休息時間を取れる。
サービス内容
妻の腰痛、睡眠、受診、介助量を確認し、朝夕の支援内容を調整する。抱え上げ等の負担が大きい介助を避ける。
課題③ 夫婦らしい食事と時間を保ちたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
夫婦らしい食事と時間を保ちたい。
長期目標
介護以外の会話・食事・外出を続け、夫婦の生活を維持できる。
短期目標
夕方の支援後に二人で食事を取れる準備が整う。
サービス内容
本人・妻と食事準備、片付け、就寝前支援の分担を確認し、夫婦が一緒に過ごす時間を妨げないよう支援する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 妻に頼りきらず、自分の力を使って身支度したい。 | 必要な介助を受けながら本人の動作を保ち、夫婦で在宅生活を続けられる。 | 朝の訪問時に起き上がりと上衣更衣を自分で行える。 | 訪問介護員が本人の動作を待ち、立位を見守る。下衣・排泄等の難しい部分を介助し、妻へ過度な介助を求めない。 |
| 妻が腰痛を悪化させず介護を続けたい。 | 妻の健康と休息が保たれ、介護負担が一人に集中しない。 | 妻が朝夕の介助を訪問介護員へ任せ、休息時間を取れる。 | 妻の腰痛、睡眠、受診、介助量を確認し、朝夕の支援内容を調整する。抱え上げ等の負担が大きい介助を避ける。 |
| 夫婦らしい食事と時間を保ちたい。 | 介護以外の会話・食事・外出を続け、夫婦の生活を維持できる。 | 夕方の支援後に二人で食事を取れる準備が整う。 | 本人・妻と食事準備、片付け、就寝前支援の分担を確認し、夫婦が一緒に過ごす時間を妨げないよう支援する。 |
訪問介護のケアプラン作成ポイント
本人の生活目標から位置づける
サービス利用自体を目標にせず、本人が続けたい暮らし、役割、参加を確認します。
本人ができることを生かす
朝夕それぞれの移動・更衣・排泄について、夫が自分で行える工程と介助が必要な工程を確認します。妻が同居していることだけで不足分を任せず、訪問前後に残る介助と夜間の対応を整理し、休息が増えたかで支援効果を評価します。
訪問外に残る介助と妻の休息を確認する
本人の動作と介助量、妻の腰痛・睡眠・休息、朝夕の負担、食事、夫婦の希望、サービス時間を確認します。
文例を使うときのポイント
- 要介護者だけでなく介護する配偶者も支援対象として捉え、家族介護を当然とせず朝夕の具体的な負担を整理します。
- 本人と家族の意向を分けて確認します。
- 体調・生活・サービス提供状況の変化に応じて見直します。
まとめ
夫が行える身支度を残し、朝夕に妻へ集中する介助を補います。妻の腰痛だけでなく、休めた時間と訪問外に残る負担も確認します。


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