転倒後の不安が強い方には、安全性を確保しつつ、本人が行きたい場所に向けて小さな成功体験を積みます。不安を理由に活動を一律に止めません。
本記事では、転倒後の不安で外出を控える方が郵便ポストまで歩くためのケアプランを紹介します。玄関から門、ポストまでの段階と同行の必要性を第1表・第2表で示します。
この記事が参考になるケース
- 80代女性。一人暮らし。自宅前で転倒して以降、屋外へ出なくなったが、近所の郵便ポストまで手紙を出しに行きたい。
- 本人は「また自分で郵便を出しに行けるようになりたい。」と希望している。
- 家族は「安全を確認しながら、閉じこもりを防いでほしい。」と考えている。
訪問リハビリテーションは主治医の指示に基づき、本人の状態と生活目標に合わせて事業所・関係職種と内容を確認します。
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
また自分で郵便を出しに行けるようになりたい。
家族の意向
おすすめ文例
安全を確認しながら、閉じこもりを防いでほしい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
80代女性。一人暮らし。自宅前で転倒して以降、屋外へ出なくなったが、近所の郵便ポストまで手紙を出しに行きたい。
本人には「また自分で郵便を出しに行けるようになりたい。」という希望があり、現在行えていることと生活上の役割を生かす必要がある。
バランス、歩行、段差、路面、履物を評価し、玄関から短い距離で屋外歩行を練習する。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が転倒への不安を抱えながらも郵便ポストまでの外出を再開できるよう、訪問リハビリテーションが玄関・路面・歩行補助具を評価し、段階的な屋外練習と緊急時の連絡方法を家族・関係職種と整えます。
別の表現|短めにまとめたい場合
転倒不安に配慮し、玄関から郵便ポストまで段階的に外出を再開します。
第2表の文例
サービスを利用すること自体ではなく、本人が望む生活を続けられることを目標にします。
課題① 転ばずに自宅の外へ出たい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
転ばずに自宅の外へ出たい。
長期目標
安全に玄関を出て自宅周辺を歩ける。
短期目標
手すりと杖を使い、玄関から門まで移動できる。
サービス内容
バランス、歩行、段差、路面、履物を評価し、玄関から短い距離で屋外歩行を練習する。
課題② 郵便ポストまで手紙を出しに行きたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
郵便ポストまで手紙を出しに行きたい。
長期目標
本人の目的に沿った外出を継続できる。
短期目標
休憩場所と安全な時間帯を確認し、付き添いでポストまで行ける。
サービス内容
実際の経路、交通量、坂、距離を確認し、段階的に歩行距離と本人の役割を増やす。
課題③ 不安が強い時も外出方法を選びたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
不安が強い時も外出方法を選びたい。
長期目標
不安を理由に閉じこもらず、必要な支援を選べる。
短期目標
体調・天候・不安に応じて同行や別手段を相談できる。
サービス内容
本人の不安を数値や言葉で確認し、同行できる家族・地域の支援者や、利用条件を確認した外出支援サービスと無理のない方法を調整する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 転ばずに自宅の外へ出たい。 | 安全に玄関を出て自宅周辺を歩ける。 | 手すりと杖を使い、玄関から門まで移動できる。 | バランス、歩行、段差、路面、履物を評価し、玄関から短い距離で屋外歩行を練習する。 |
| 郵便ポストまで手紙を出しに行きたい。 | 本人の目的に沿った外出を継続できる。 | 休憩場所と安全な時間帯を確認し、付き添いでポストまで行ける。 | 実際の経路、交通量、坂、距離を確認し、段階的に歩行距離と本人の役割を増やす。 |
| 不安が強い時も外出方法を選びたい。 | 不安を理由に閉じこもらず、必要な支援を選べる。 | 体調・天候・不安に応じて同行や別手段を相談できる。 | 本人の不安を数値や言葉で確認し、同行できる家族・地域の支援者や、利用条件を確認した外出支援サービスと無理のない方法を調整する。 |
訪問リハビリテーションのケアプラン作成ポイント
本人の生活目標から位置づける
訓練の実施自体を目標にせず、本人が自宅で続けたい動作や役割を確認します。
訓練と生活をつなぐ
転倒した場所と怖さが強い場面を本人に尋ね、歩行能力と不安を分けて評価します。玄関から門まではできても交通のある経路では同行が必要な場合があるため、一人で行う範囲を実際の往復で確認します。手紙を持つ・投函する役割は本人に任せ、天候や体調によっては同行や別日を選びます。
変化と連絡方法を共有する
往復の距離、休憩回数、つまずいた場所、同行者の支え、不安の程度を比較します。距離が伸びても帰路にふらつく場合は段階を戻します。外出回数だけでなく本人が自分で投函できたか、また行きたいと思えたかも評価します。
文例を使うときのポイント
- 転倒リスクをゼロにすることだけでなく、本人が外出で得たい役割や交流と安全対策を両立させます。
- 本人と家族の意向を分けて確認します。
- 病状・生活・サービス提供状況の変化に応じて見直します。
まとめ
不安の強さと歩行の安定性を分けて確認し、玄関から距離を少しずつ延ばします。ふらつきや中止場面を基に補助具と付き添い方を見直します。


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