通所介護計画書の長期目標 文例集|生活につながる目標設定20例以上

通所介護計画書の長期目標は、単に身体機能を維持・改善するという表現ではなく、その力を使って本人がどのような生活を続けたいのかを示すことが大切です。本記事では、移動、ADL、健康管理、社会参加、認知症・家族支援の5分野から、生活背景の異なる20ケースと改善例を紹介します。

通所介護計画書の長期目標とは

長期目標は、一定期間の支援を通して本人が目指す生活の姿を示します。「歩行能力を改善する」「筋力を維持する」だけでは、本人にとって何が変わるのかが分かりません。自宅のどこへ移動したいのか、誰と何を続けたいのか、家庭や地域でどの役割を保ちたいのかまで考えます。デイサービスで行う機能訓練や入浴支援は、その生活を実現するための手段として位置づけます。

長期目標を作る3つのポイント

  • 本人が望む生活を確認する:「転びたくない」という不安だけでなく、転倒を防いで何をしたいのかまで聞き取ります。
  • 現在できることを起点にする:できない動作だけを課題にせず、本人が使っている道具、慣れた手順、残っている役割を目標へ生かします。
  • 在宅生活とその先につなげる:デイサービス内での達成に限定せず、自宅での動作、家族との外出、地域参加など利用日以外の暮らしへつなげます。

通所介護計画書の長期目標 文例集

移動・転倒予防

脳梗塞後の片麻痺

【想定ケース】
脳梗塞後の右片麻痺があり、屋内は杖で移動している。妻と近所のスーパーへ行くことを希望している。

杖を使用して自宅から近隣店舗まで移動し、妻と日用品の買い物を続けられる。

パーキンソン病・すくみ足

【想定ケース】
玄関や方向転換ですくみ足が出やすい。本人は月1回の町内会へ再び参加したいと話している。

すくみ足への対処法を用いて玄関から送迎車まで移動し、町内会への参加を再開できる。

大腿骨骨折後・集合住宅

【想定ケース】
大腿骨骨折後で歩行器を使用。エレベーターまでの廊下が長く、外出を控えている。

歩行器で居室からエレベーターまで休憩を取りながら移動し、家族との外出を月に一度楽しめる。

変形性膝関節症・玄関段差

【想定ケース】
膝痛があり玄関の上がり框を怖がる。以前は自宅前で花の手入れをしていた。

手すりを使用して玄関段差を昇降し、自宅前の鉢植えの手入れを続けられる。

入浴・排泄・更衣等のADL

独居・自宅入浴

【想定ケース】
独居で浴槽またぎに不安があるが、できるだけ自宅の風呂に入りたいと希望している。

浴室内の手すりと入浴補助用具を使用し、見守りを受けながら自宅での入浴を継続できる。

片麻痺・更衣

【想定ケース】
左片麻痺があり上衣の着脱に時間を要する。本人は朝の身支度を自分で整えたい。

片手で行える更衣手順を身につけ、外出日に自分で上衣を選んで着替えられる。

腰椎圧迫骨折・排泄

【想定ケース】
腰痛と夜間頻尿があり、ベッドからトイレまで家族を呼ぶことが増えている。

痛みに配慮した起き上がりと歩行器での移動を行い、夜間も必要時に家族の見守りでトイレへ行ける。

認知症・整容

【想定ケース】
軽度認知症があり洗面手順を忘れるが、声をかけると自分で歯磨きと整髪ができる。

手順表を確認しながら朝の歯磨きと整髪を行い、本人らしい身だしなみを保てる。

健康管理・体力

心不全・家事継続

【想定ケース】
心不全で息切れがあり、洗濯物を一度に運んで疲れてしまう。妻と家事を分担したい意向がある。

体調に応じて休憩と作業量を調整し、洗濯物をたたむ役割を無理なく続けられる。

糖尿病・食生活

【想定ケース】
糖尿病があり間食が多い。本人は血糖を整えて孫との外出を続けたいと考えている。

食事と活動の記録を生活に取り入れ、体調を整えながら孫との半日外出を楽しめる。

COPD・買い物

【想定ケース】
在宅酸素を使用し、息切れから買い物を家族任せにしている。自分で商品を選びたい希望がある。

酸素機器を安全に扱い、休憩を取りながら家族と近隣店舗で必要な品物を選べる。

廃用症候群・食卓生活

【想定ケース】
入院後に体力が低下し、食事もベッド上で済ませることが増えた。家族と食卓を囲みたい。

朝夕はベッドから離れて居間まで移動し、家族と食卓で食事をとる生活を続けられる。

社会参加・趣味・役割

閉じこもり・囲碁

【想定ケース】
配偶者を亡くしてから外出が減った。以前は地域の囲碁仲間と月2回集まっていた。

外出への不安を調整し、地域の囲碁会へ再参加して顔なじみとの交流を続けられる。

上肢機能低下・調理

【想定ケース】
利き手の肩痛があるが、家族の朝食でみそ汁を作る役割を続けたい。

負担の少ない道具と作業姿勢を用いて、週に数回、家族のみそ汁作りを担当できる。

軽度認知障害・自治会

【想定ケース】
予定を忘れることが増えたが、自治会の回覧板を届ける役割を大切にしている。

カレンダーと家族の確認を活用し、近隣へ回覧板を届ける役割を継続できる。

車いす・園芸

【想定ケース】
屋外は車いすを使用。長年育ててきた庭の野菜を自分で世話したいと希望している。

家族が整えた通路を車いすで移動し、座位で水やりや収穫を行って季節の園芸を楽しめる。

認知症・家族支援

認知症・夫婦二人暮らし

【想定ケース】
夕方に不安が強くなり妻への確認が増える。本人は自宅で妻と暮らし続けたい。

夕方の過ごし方と安心できる声かけを整え、妻と穏やかに夕食までの時間を過ごせる。

日中独居・服薬

【想定ケース】
家族の就労中は一人で過ごす。軽度認知症があり昼薬を忘れることがある。

服薬ボックスと確認連絡を活用し、日中独居でも決められた時間に服薬して体調を保てる。

家族介護負担・移乗

【想定ケース】
要介護4で移乗に介助が必要。娘が一人で抱え上げ、腰痛を訴えている。

福祉用具と本人の残存能力を生かした移乗方法を家族と共有し、双方に過度な負担なく在宅生活を続けられる。

サービス利用拒否・馴染みの関係

【想定ケース】
認知症があり新しい人を警戒する。息子は介護を抱え込まず自宅生活を続けたいと希望している。

馴染みの職員との関係を築き、本人が納得できる活動を選びながら、家族が定期的に休息を取れる生活を整えられる。

抽象的な長期目標を生活目標へ変える例

機能や状態だけを示す表現に、具体的な生活場面と本人の希望を加えると、支援内容と評価の方向が明確になります。

抽象的な目標:下肢筋力を維持する。
生活目標へ変えた例:

自宅の玄関段差を手すりで昇降し、家族と週末の外出を続けられる。

抽象的な目標:入浴動作を改善する。
生活目標へ変えた例:

浴室用いすと手すりを使い、自分で洗える部分は洗って自宅での入浴を続けられる。

抽象的な目標:体力を向上する。
生活目標へ変えた例:

休憩を取りながら近所の公園まで歩き、友人との散歩を再開できる。

抽象的な目標:認知機能を維持する。
生活目標へ変えた例:

予定表を確認して通院日を把握し、家族と準備を進められる。

抽象的な目標:他者交流を図る。
生活目標へ変えた例:

得意な将棋を通じて顔なじみをつくり、地域の将棋会へ再参加できる。

長期目標を設定するときの注意点

目標期間内に現実的に目指せる内容か、本人の希望と合っているかを確認します。長期目標は短期目標へ段階的に分けられ、具体的なサービス内容とつながっている必要があります。また、デイサービスへ通うこと自体を目標にせず、通所で得た力や習慣を在宅生活でどう生かすかを明確にします。状態や生活環境が変化したときは、当初の表現に固執せず本人・家族と見直します。

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