脳梗塞後遺症による片麻痺がある利用者では、洗濯機や物干しの操作が難しくなり、家事全体から外れてしまうことがあります。
洗う、運ぶ、干す、取り込む、たたむ工程を分け、座位と非麻痺側でできる役割を見つけることが重要です。
ここでは、右手と机上の滑り止めを使い、タオルをたたんで家族ごとに分ける役割を続けたい利用者を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 退職後は洗濯物を取り込み、家族ごとに分ける役割を担ってきた
- 背もたれ椅子で二十分座位を保てる
- 右手でタオルの角を合わせられる
- 滑り止めマット上なら片手で二つ折りできる
- 色付きかごで家族三人分を見分けられる
- 洗濯かごの運搬と物干しは妻が行う
- 本人はたたむ役割を続けたい
- 家族は仕上がりより参加を大切にしたい
洗濯を工程に分け、座位、片手操作、衣類の種類、運搬、疲労、本人が担いたい役割を確認してください。
※麻痺側上肢の痛みや疲労がある場合は無理に使わず、必要に応じて専門職へ相談してください。
利用者像の例
- 73歳・男性・要介護2
- 妻と長女の三人暮らし
- 脳梗塞後遺症による左片麻痺がある
- 退職後は洗濯物を取り込み、家族ごとに分ける役割を担ってきた
- 背もたれ椅子で二十分座位を保てる
- 右手でタオルの角を合わせられる
- 滑り止めマット上なら片手で二つ折りできる
- 色付きかごで家族三人分を見分けられる
- 洗濯かごの運搬と物干しは妻が行う
- 本人はたたむ役割を続けたい
- 家族は仕上がりより参加を大切にしたい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
右手だけでもタオルはたためるので、家族ごとに分ける役割を続けたい。
家族の意向
おすすめ文例
干すことと運ぶことは私が行い、本人がたたんで分ける時間を急かさず待ちたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は妻・長女と暮らし、退職後から担当してきた洗濯物をたたみ家族ごとに分ける役割を続けたいと希望している。
左片麻痺があるが、背もたれ椅子で座位を保ち、右手でタオルの角を合わせ、滑り止め上で二つ折りできる。
色付きかごを用いると家族三人分を見分けて入れられる一方、洗濯かごの運搬と物干しは難しい。
妻が運搬と物干し、本人がタオルたたみと仕分けを担当し、仕上がりを急いで直さない支援が必要である。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が右手と色付きかごを使う力を活かし、洗濯物をたたみ分ける家庭内役割を継続できるよう支援する。机上に滑り止めを敷き、背もたれ椅子で一回二十分以内、タオルから作業する。家族は運搬と物干しを担い、本人がたたんだ物を本人の前ですぐ直さず、役割の達成を共有する。
別の表現|短めにまとめたい場合
本人が片手でも行える洗濯や衣類整理を続けられるよう、道具の配置と作業方法を工夫する。疲労や転倒に注意し、難しい作業だけを家族が補う。
第2表の文例
洗濯全工程を行うことではなく、本人が片手でできるたたみと仕分けを続け、家庭内の役割を保てることを目標にします。
課題① 右手でタオルをたたみたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
右手でタオルをたたみたい。
長期目標
片手で洗濯物をたたむ役割を継続できる。
短期目標
滑り止め上でタオルの角を合わせ、二つ折りにできる。
サービス内容
机と椅子を整え、タオルを一枚ずつ右手側へ置き、本人の方法を待つ。
課題② 家族ごとに洗濯物を分けたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
家族ごとに洗濯物を分けたい。
長期目標
本人が家族の衣類を判断して仕分けできる。
短期目標
色付きかご三つへタオルと衣類を分けられる。
サービス内容
本人と色を決め、かごへ名前と写真を表示し、分からない物のみ家族へ尋ねられるようにする。
課題③ 疲れる前に休み、無理なく家事を続けたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
疲れる前に休み、無理なく家事を続けたい。
長期目標
体調に合わせて作業量を調整できる。
短期目標
二十分またはタオル十枚を目安に終了し、残りを家族へ頼める。
サービス内容
開始前後の疲労を確認し、本人が続ける、休む、終えるを選べるようにする。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 右手でタオルをたたみたい。 | 片手で洗濯物をたたむ役割を継続できる。 | 滑り止め上でタオルの角を合わせ、二つ折りにできる。 | 机と椅子を整え、タオルを一枚ずつ右手側へ置き、本人の方法を待つ。 |
| 家族ごとに洗濯物を分けたい。 | 本人が家族の衣類を判断して仕分けできる。 | 色付きかご三つへタオルと衣類を分けられる。 | 本人と色を決め、かごへ名前と写真を表示し、分からない物のみ家族へ尋ねられるようにする。 |
| 疲れる前に休み、無理なく家事を続けたい。 | 体調に合わせて作業量を調整できる。 | 二十分またはタオル十枚を目安に終了し、残りを家族へ頼める。 | 開始前後の疲労を確認し、本人が続ける、休む、終えるを選べるようにする。 |
脳梗塞後遺症・片麻痺の洗濯ケアプランで意識したいポイント
洗濯を工程に分ける
運搬や物干しが難しくても、たたみや仕分けで役割を続けられます。
仕上がりだけで評価しない
折り方のずれをすぐ直さず、本人が家族のために担った工程を評価します。
視覚的な仕分けを使う
色と名前のかごで判断しやすくし、片手操作へ集中できる環境を作ります。
文例を使うときのポイント
- 安定した座位を確認する
- 滑り止めで片手操作を補う
- 衣類の種類を絞る
- 仕分け表示を分かりやすくする
- 疲労前に終了できる量を決める
まとめ
片麻痺の洗濯では、工程を分け、座位と非麻痺側でできるたたみ・仕分けを残します。
家族が運搬と物干しを担うことで、本人は家庭内の役割と達成感を継続できます。
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