ケアプラン文例【大腿骨転子部骨折後・軽度認知症】|本人の理解を確かめて安全に暮らす第1表・第2表の記入例

大腿骨転子部骨折後に軽度認知症がある場合、補助具や動作上の注意を忘れることがあっても、本人の意思やできる力まで失われたとは限りません。

本記事では、なじみの動線と目印を活用し、本人へ一つずつ確認しながら自宅生活を整える事例を紹介します。

ここでは、家族の説明だけで計画を決めず、本人が理解しやすい方法で意向と選択を確認します。を例に紹介します。

この記事が参考になるケース

  • 同居する長男夫婦は安全を心配し、本人の前で支援内容を決めてしまうことがある。

記憶障害だけで判断せず、なじみの手順、視覚的な手がかり、選択肢の数、時間帯による理解の違いを確認する。

本人の理解に時間がかかる場合も、家族の同意のみで補助具や生活方法を決めず、説明方法を工夫して意思を確認する。

利用者像の例

  • 86歳女性。大腿骨転子部骨折後に退院し、軽度認知症がある。
  • 朝の洗面、食事、衣服選びは自分で行えるが、歩行器を離れた場所に置いて立ち上がることがある。
  • 長年同じ自宅で暮らし、居間からトイレまでの道順と、家族の名前・日課は理解している。
  • 同居する長男夫婦は安全を心配し、本人の前で支援内容を決めてしまうことがある。

本人・家族の意向の文例

本人の意向

おすすめ文例

自分の家で、朝は好きな服を選んで過ごしたい。歩く時はこの歩行器を使うことを覚えたい。

家族の意向

おすすめ文例

転倒が心配で先に決めてしまうことがある。本人に伝わる説明と見守り方を知りたい。

第1表の文例

利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果

おすすめ文例

本人はなじみの環境と日課の中で、洗面、食事、衣服選びを自分で行い、簡潔な問いかけには希望を答えられる。

歩行器の位置や使用を忘れることがあり、家族は安全を優先して本人の意思確認を省くことがある。

歩行器の定位置と目印、一つずつの声かけ、本人が選べる場面を整え、家族と支援者が共通した関わりを行う必要がある。

総合的な援助の方針

おすすめ文例

本人へ短く具体的に説明し、返答を待って意向を確認する。歩行器の定位置と視覚的な目印を本人と決め、なじみの動線を生かす。家族は先回りして動作を止めず、本人の開始を見守り、必要な部分のみ支援する。

別の表現|短めにまとめたい場合

本人へ短く分かりやすく説明して返答を待ち、なじみの動線と視覚的な目印を活用し、家族が必要な部分だけ支える。

第2表の文例

なじみの生活と理解しやすい手がかりを活用し、本人の選択と安全を両立する。

課題① 自分で服を選び、朝の身支度を続けたい。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

自分で服を選び、朝の身支度を続けたい。

長期目標

なじみの手順で身支度を行い、自分で選ぶ機会を保てる。

短期目標

二つの衣服から本人が着たい物を選び、座って更衣できる。

サービス内容

支援者は選択肢を一度に二つ程度示し、本人の返答を待って必要な動作のみ支援する。

課題② 歩行器を使ってトイレまで安全に移動したい。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

歩行器を使ってトイレまで安全に移動したい。

長期目標

目印を手がかりに歩行器を使用し、なじみの動線を移動できる。

短期目標

歩行器を居間の決めた場所に戻し、声かけで使用を思い出せる。

サービス内容

福祉用具専門相談員等が定位置と目印を本人と確認し、支援者は統一した短い声かけを行う。

課題③ 自分のことを自分抜きで決められず、希望を聞いてほしい。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

自分のことを自分抜きで決められず、希望を聞いてほしい。

長期目標

支援内容を本人が理解しやすい形で説明され、選択を表明できる。

短期目標

サービス利用前に本人へ一つずつ説明し、表情や言葉で意向を確認できる。

サービス内容

ケアマネジャーは本人へ直接確認する時間を設け、家族と支援者へ意思決定支援の方法を共有する。

第2表の完成イメージ

上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。

※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)長期目標短期目標サービス内容
自分で服を選び、朝の身支度を続けたい。なじみの手順で身支度を行い、自分で選ぶ機会を保てる。二つの衣服から本人が着たい物を選び、座って更衣できる。支援者は選択肢を一度に二つ程度示し、本人の返答を待って必要な動作のみ支援する。
歩行器を使ってトイレまで安全に移動したい。目印を手がかりに歩行器を使用し、なじみの動線を移動できる。歩行器を居間の決めた場所に戻し、声かけで使用を思い出せる。福祉用具専門相談員等が定位置と目印を本人と確認し、支援者は統一した短い声かけを行う。
自分のことを自分抜きで決められず、希望を聞いてほしい。支援内容を本人が理解しやすい形で説明され、選択を表明できる。サービス利用前に本人へ一つずつ説明し、表情や言葉で意向を確認できる。ケアマネジャーは本人へ直接確認する時間を設け、家族と支援者へ意思決定支援の方法を共有する。

軽度認知症を併存する場合のポイント

残存能力を具体化する

できないことだけでなく、なじみの場面で行える手順と選択を確認する。

手がかりを環境に置く

繰り返し注意するだけでなく、定位置、色、表示など理解しやすい環境を整える。

本人を話し合いの中心にする

時間をかけて説明し、言葉、表情、行動から意思を確認する。

文例を使うときのポイント

  • 本人が理解しやすい時間帯と声かけをサービス間で共有する。
  • 目印は本人と一緒に決め、分かりにくい場合は見直す。
  • 転倒リスクだけでなく、本人の選択機会が保たれているかも評価する。

まとめ

軽度認知症があっても、なじみの生活の中に多くの残存能力と意思があります。

環境の手がかりと分かりやすい説明を整え、本人を意思決定の中心に置くことが重要です。

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