腰椎圧迫骨折後は、痛み、活動量低下、便秘、長時間座位のつらさなどから食欲が落ちることがあります。体重や摂取量だけでなく、食べにくい理由と本人の好みを確認し、医療・栄養職へつなぎます。
本記事では、座位痛で食事を切り上げる方を例に、姿勢・食事時間・便通・準備の支援を整理する第1表・第2表の文例を紹介します。
この記事が参考になるケース
- 80代女性。家族と同居する架空事例。腰椎圧迫骨折後の退院時より食事量が半分ほどに減り、体重も減少している。食具操作と好みの表出は可能だが、座位痛で食事を早く切り上げる。活動量が減り便秘もあるため、食べた量だけでなく痛み・便通との関係を確認したい。
- 本人は「少量でも好きな物をおいしく食べ、体力を戻したい。」と希望している。
- 家族は「栄養を取ってほしいが、無理に勧めて本人の負担にしたくない。」と考えている。
治療、活動量、医療機器、動作方法は主治医・看護職・リハビリ職等の評価と指示を確認します。
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
少量でも好きな物をおいしく食べ、体力を戻したい。
家族の意向
おすすめ文例
栄養を取ってほしいが、無理に勧めて本人の負担にしたくない。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
80代女性。退院後に食事量が半分ほどに減り、体重も減少している。長く座ると痛むため食事を早く終え、調理する意欲も低下している。
本人には「少量でも好きな物をおいしく食べ、体力を戻したい。」という希望があり、現在行えている方法と生活上の役割を生かす必要がある。
食事量、体重、水分、便通、口腔状態、痛み、服薬を確認する。椅子と食事時間を調整し、本人の好みを取り入れた少量・高栄養の方法を医師・管理栄養士等に相談する。買い物や調理が難しい場合は配食や家族支援を調整する。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人の食べたい物と食べやすい時間を尊重し、疼痛・便秘・口腔状態の確認、座位環境、少量で摂取しやすい食事、専門職の栄養評価を組み合わせて回復に必要な食生活を支援します。
別の表現|短めにまとめたい場合
座位痛で食事を切り上げる場面を確認し、本人が休息と食べる量を選べるよう支援する。食事・体重・便通・痛みを専門職へ共有し、食事環境と準備方法を調整する。
第2表の文例
サービスを利用すること自体ではなく、本人が望む生活を続けられることを目標にします。
課題① 痛みや疲れに配慮し、好きな物を食べて体力を保ちたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
痛みや疲れに配慮し、好きな物を食べて体力を保ちたい。
長期目標
本人に合う食事方法で必要な栄養と水分を取り、体重と生活の活力を維持できる。
短期目標
食べやすい姿勢で少量の食事を分けて取り、摂取量と体調を伝えられる。
サービス内容
食事量、体重、水分、便通、口腔状態、痛み、服薬を確認する。椅子と食事時間を調整し、本人の好みを取り入れた少量・高栄養の方法を医師・管理栄養士等に相談する。買い物や調理が難しい場合は配食や家族支援を調整する。
課題② 座っている痛みや便秘で食べづらいことを相談したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
座っている痛みや便秘で食べづらいことを相談したい。
長期目標
食事を妨げる痛みや便通の問題について、医療・栄養面の評価と必要な支援を受けられる。
短期目標
食事を止めた理由と便通の変化を、本人が言葉や記録で伝えられる。
サービス内容
家族は食事開始から痛みが出るまでの様子、食べられた量、水分・便通を本人と確認し、看護職等へ共有する。薬や水分・食物繊維の量を独自に変更せず、主治医・薬剤師・管理栄養士等の指示と助言を確認する。
課題③ 長く立って調理できなくても、自分で選んだ食事を用意してもらいたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
長く立って調理できなくても、自分で選んだ食事を用意してもらいたい。
長期目標
調理の負担を補う支援を使い、好みに合う食事を自宅で継続できる。
短期目標
本人が食べたい物を選び、調理・配膳の難しい工程を家族等へ依頼できる。
サービス内容
本人は献立や量を選び、自分で可能な食具操作を行う。家族は立位調理・運搬を補い、食器を届く位置へ配置する。ケアマネジャーは非支援日の食事確保と家族の負担を確認し、必要な調理支援や配食を検討する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 痛みや疲れに配慮し、好きな物を食べて体力を保ちたい。 | 本人に合う食事方法で必要な栄養と水分を取り、体重と生活の活力を維持できる。 | 食べやすい姿勢で少量の食事を分けて取り、摂取量と体調を伝えられる。 | 食事量、体重、水分、便通、口腔状態、痛み、服薬を確認する。椅子と食事時間を調整し、本人の好みを取り入れた少量・高栄養の方法を医師・管理栄養士等に相談する。買い物や調理が難しい場合は配食や家族支援を調整する。 |
| 座っている痛みや便秘で食べづらいことを相談したい。 | 食事を妨げる痛みや便通の問題について、医療・栄養面の評価と必要な支援を受けられる。 | 食事を止めた理由と便通の変化を、本人が言葉や記録で伝えられる。 | 家族は食事開始から痛みが出るまでの様子、食べられた量、水分・便通を本人と確認し、看護職等へ共有する。薬や水分・食物繊維の量を独自に変更せず、主治医・薬剤師・管理栄養士等の指示と助言を確認する。 |
| 長く立って調理できなくても、自分で選んだ食事を用意してもらいたい。 | 調理の負担を補う支援を使い、好みに合う食事を自宅で継続できる。 | 本人が食べたい物を選び、調理・配膳の難しい工程を家族等へ依頼できる。 | 本人は献立や量を選び、自分で可能な食具操作を行う。家族は立位調理・運搬を補い、食器を届く位置へ配置する。ケアマネジャーは非支援日の食事確保と家族の負担を確認し、必要な調理支援や配食を検討する。 |
食欲低下・低栄養のケアプラン作成ポイント
本人の希望を確認する
病状だけで決めず、本人が続けたい生活と役割を確認します。
できる動作と方法を生かす
食具を持てる人まで食事を全介助にせず、本人が痛みや休憩の希望を伝え、自分のペースで口へ運ぶ工程を残します。椅子・足元・食卓位置は専門職の評価と退院時の動作上の指示に合わせ、休憩後に再開しやすい配膳を家族と確認します。
変化時の相談を整える
体重、食事・水分摂取量、食欲、便通、口腔状態、痛み、活動量、本人の楽しみを確認します。
文例を使うときのポイント
- 特定の食品や栄養量を介護職が独自に指示せず、疾患や薬との関係を医療・栄養専門職へ確認します。
- 家族の不安と負担にも配慮します。
- 本人の体調、意思、満足感を継続して確認します。
評価|食欲低下と「座れず食べ終えられない」を分ける
同じ時間帯・提供量で、座位を続けられた様子、痛みが出た場面、途中の休憩、摂取量、食後の疲労を前回と比較します。体重・便通・水分と非支援日の食事も合わせ、姿勢を変えて食べやすくなっても体重低下が続けば医療・栄養相談を継続します。急な痛みの増強や新たな体調変化を、食べる意欲の問題だけと扱いません。
評価記録例:食卓位置を調整し途中で休憩。「座り直すと続きを食べられる」と本人発言。前回より途中で切り上げることは減ったが、便秘と体重低下は継続。摂取量の変化だけで改善と判断せず、食事時の痛みと便通記録を看護職等へ共有し、支援方法を見直す。
まとめ
このケースは、単に食べる意欲を促すのではなく、座位を続けるつらさと準備の負担を補う計画です。本人が選び、自分で食べる工程を残し、食事を中断した理由と体重・便通の経過から次の支援を決めます。
関連するケアプラン文例
ほかの骨折後の生活課題はケアプラン文例一覧へ。姿勢・食事・調理支援の役割が決まったら、第2表作成ツールで目標と支援を整理します。医学・栄養面の判断は担当専門職へ確認してください。


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