失語症のある利用者では、言葉を話すことだけでなく、相手の話を理解すること、文字を読むこと、書くことなどに難しさがみられる場合があります。通所介護計画書では、言語機能だけに着目するのではなく、本人がどのような方法で意思を伝えられるのかを把握し、他者との交流や日常生活への参加につなげることが大切です。この記事では、失語症のある利用者を想定した長期目標・短期目標・サービス内容の文例を紹介します。
失語症の通所介護計画書を作成するポイント
失語症があるからといって、本人の理解力や意思そのものが失われているとは限りません。計画書では、会話、表情、身振り、指差し、文字、写真など、本人が意思を伝えやすい方法を確認することが重要です。また、言葉が出にくいことで交流を避けるようになる場合もあるため、本人のペースを尊重しながら、人との関わりや活動参加につなげます。
利用者像の例
- ・要介護2
- ・妻と二人暮らし
- ・脳梗塞後に失語症が残存している
- ・簡単な日常会話は理解できるが、言葉が出にくいことがある
- ・質問に対してうなずきや指差しで意思表示することができる
- ・屋内歩行は自立している
- ・人前で話すことに自信をなくし、交流機会が減っている
- ・以前は地域の囲碁仲間との交流を楽しんでいた
本人・家族の意向
本人の意向
言葉がうまく出ないことはあるが、自分の気持ちは自分で伝えたい。また人と一緒に囲碁や会話を楽しみたい。
家族の意向
言葉が出るまで時間がかかっても本人の話を待ち、本人が自分の意思を伝えながら人との交流を続けてほしい。
長期目標の文例
本人に合った方法で自分の希望や気持ちを伝えながら、安心して生活することができる。
職員や他利用者との交流を継続し、人と関わる楽しみを持って過ごすことができる。
言葉だけに頼らず意思表示できる方法を活用し、本人が希望する活動や社会参加を継続できる。
短期目標の文例
会話、うなずき、指差しなどを用いて、自分の希望を職員に伝えることができる。
本人のペースで職員や他利用者とのやり取りに参加することができる。
興味のある活動に参加し、他者と関わる機会を継続して持つことができる。
サービス内容の文例
本人が言葉を発するまで十分に待ち、急かさずに本人のペースで意思を確認する。
必要に応じて指差し、身振り、文字、写真などを活用し、本人が意思表示しやすい環境を整える。
本人が興味を持つ囲碁やレクリエーションなどへの参加を支援し、他者との自然な交流機会を確保する。
本人が伝えようとする内容や反応を尊重し、家族や関係職種と有効なコミュニケーション方法を共有する。
失語症の計画書で意識したいこと
失語症のある利用者では、「話せない=理解できない」と判断しないことが重要です。本人の理解しやすい言葉の長さや質問方法を工夫し、返答を急かさずに待つことで意思を確認しやすくなります。また、会話だけでなく、表情、身振り、指差し、文字など本人が使いやすい方法を取り入れます。計画書では、言語機能そのものの改善だけでなく、「自分の意思を伝える」「人との交流を楽しむ」といった生活上の目標につなげることが大切です。
まとめ
失語症のある利用者の通所介護計画書では、言葉の出にくさだけでなく、本人がどのような方法なら意思を伝えやすいのかを把握することが重要です。本人のペースを尊重し、コミュニケーション方法を工夫しながら交流や活動への参加を支援することで、本人らしい生活の継続につながる計画書になります。


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