パーキンソン病のある利用者では、移動、服薬、宿泊先の環境への不安から、本人も家族も旅行を諦めることがあります。
危険を列挙するだけでなく、本人ができる準備、必要な休憩、伝えられる希望、宿泊先で必要な環境を具体的に整理することが重要です。
ここでは、服薬時刻を自分で確認し、休憩を取りながら、娘家族と近県の温泉へ一泊したい利用者を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 一包化薬の日付と朝夕表示を自分で確認できる
- スマートフォンのアラームで服薬時刻に気づける
- 車の後部座席から手すりを使って乗降できる
- 一時間ごとに休憩すると三時間程度の車移動が可能
- 洋室ベッドと手すり付きトイレを希望として伝えられる
- 本人は孫と同じ宿で過ごしたい
- 夫と娘は準備を本人と分担したい
移動時間、休憩、服薬情報、宿泊室、トイレ、入浴方法、緊急連絡先を本人・家族・関係職種で具体的に確認してください。
※旅行の可否や服薬の扱いは本人の状態に応じ、必要に応じて主治医・薬剤師等へ相談してください。独自に服薬時刻や内容を変更しないでください。
利用者像の例
- 70歳・女性・要介護2
- 夫と二人暮らし
- 子どもが独立する前は毎年家族旅行を企画していた
- 一包化薬の日付と朝夕表示を自分で確認できる
- スマートフォンのアラームで服薬時刻に気づける
- 車の後部座席から手すりを使って乗降できる
- 一時間ごとに休憩すると三時間程度の車移動が可能
- 洋室ベッドと手すり付きトイレを希望として伝えられる
- 本人は孫と同じ宿で過ごしたい
- 夫と娘は準備を本人と分担したい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
薬の時間と必要な部屋は自分で確認できるので、休みながら孫と温泉へ一泊したい。
家族の意向
おすすめ文例
本人に希望を聞きながら、移動と荷物を分担し、無理のない予定で家族旅行を実現したい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は夫と暮らし、家族旅行を企画してきた生活歴があり、孫と同じ宿で過ごす一泊旅行を希望している。
一包化薬の表示とスマートフォンのアラームで服薬時刻を確認し、洋室ベッドと手すり付きトイレの希望を自分で伝えられる。
車は手すりを使って乗降でき、一時間ごとに休憩すれば三時間程度の移動が可能である。
移動、休憩、服薬情報、宿泊環境、入浴方法を本人中心に整理し、夫と娘が不足する部分を分担する必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が服薬と宿泊環境を確認する力を活かし、家族との一泊旅行へ主体的に参加できるよう支援する。
移動は一時間ごとに休憩し、予定を一日一か所程度に絞り、本人の疲労に応じて変更できる計画とする。
服薬情報と緊急連絡先を携帯し、宿泊先の洋室・トイレ・館内動線を事前に本人と確認する。
第2表の文例
旅行を安全管理だけで捉えず、本人が準備と選択へ参加し、孫と過ごす目的を無理のない方法で実現することを目標にします。
課題① 旅行に必要な服薬情報と持ち物を自分で確認したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
旅行に必要な服薬情報と持ち物を自分で確認したい。
長期目標
本人が準備に参加し、必要な情報と物品を把握できる。
短期目標
チェック表を見て一包化薬、保険情報、杖を夫と確認できる。
サービス内容
大きな文字の持ち物表を本人と作り、薬の内容は主治医・薬剤師等と確認した情報を携帯する。
課題② 休憩を取りながら、無理なく宿まで移動したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
休憩を取りながら、無理なく宿まで移動したい。
長期目標
体調に合わせて車移動と休憩を選択できる。
短期目標
一時間ごとに休憩し、疲れやトイレの希望を家族へ伝えられる。
サービス内容
休憩場所を事前に決め、本人の訴えを待ち、予定変更の基準を家族で共有する。
課題③ 希望する部屋で休み、孫と一泊旅行を楽しみたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
希望する部屋で休み、孫と一泊旅行を楽しみたい。
長期目標
本人に合う宿泊環境で家族との時間を過ごせる。
短期目標
洋室ベッドと手すり付きトイレを確認し、夕食を家族と楽しめる。
サービス内容
宿へ設備と館内動線を確認し、入浴方法と休憩時間を本人と相談して決める。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 旅行に必要な服薬情報と持ち物を自分で確認したい。 | 本人が準備に参加し、必要な情報と物品を把握できる。 | チェック表を見て一包化薬、保険情報、杖を夫と確認できる。 | 大きな文字の持ち物表を本人と作り、薬の内容は主治医・薬剤師等と確認した情報を携帯する。 |
| 休憩を取りながら、無理なく宿まで移動したい。 | 体調に合わせて車移動と休憩を選択できる。 | 一時間ごとに休憩し、疲れやトイレの希望を家族へ伝えられる。 | 休憩場所を事前に決め、本人の訴えを待ち、予定変更の基準を家族で共有する。 |
| 希望する部屋で休み、孫と一泊旅行を楽しみたい。 | 本人に合う宿泊環境で家族との時間を過ごせる。 | 洋室ベッドと手すり付きトイレを確認し、夕食を家族と楽しめる。 | 宿へ設備と館内動線を確認し、入浴方法と休憩時間を本人と相談して決める。 |
パーキンソン病・旅行のケアプランで意識したいポイント
本人を旅行準備の中心にする
家族が全て決めず、部屋、休憩、食事など本人が選べる項目を具体的にします。
平時の能力を旅先へ置き換える
自宅で使う手すりや服薬確認方法が、車内や宿泊室でも使えるか確認します。
変更できる予定にする
観光を詰め込まず、疲労や体調に応じて休憩や中止を選べる計画にします。
文例を使うときのポイント
- 旅行の目的を本人と確認する
- 移動可能時間と休憩間隔を確認する
- 服薬情報を医療職と確認する
- 宿泊室とトイレ設備を確認する
- 予定変更の方法を家族で共有する
まとめ
旅行を希望する場合は、本人ができる準備、移動と休憩、服薬確認、宿泊環境を具体的に整理します。
本人の選択を中心に家族が役割分担し、孫と過ごす一泊旅行を無理なく実現できる計画につなげます。
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