更衣・整容の支援は、衣類を着せることだけでなく、本人が一日をどのように過ごしたいか、好みの服装や身だしなみをどう保ちたいかを確認して行います。
本記事では、片麻痺があり、上衣は工夫して着られるものの下衣・靴下には介助が必要な方の更衣・整容支援を扱います。服を選ぶ自己決定と外出意欲を支える第1表・第2表の文例を示します。
この記事が参考になるケース
- 70代女性。片麻痺があり、上衣は工夫すれば着られるが、下衣と靴下に介助が必要。朝に身支度が整うと近所へ出る意欲が高まる。
- 本人は「自分で服を選び、身支度を整えて外へ出たい。」と希望している。
- 家族は「本人の好みを尊重し、難しいところだけ手伝ってほしい。」と考えている。
サービスの利用可否・提供範囲・医療的支援は、保険者、事業所、主治医等へ確認します。
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
自分で服を選び、身支度を整えて外へ出たい。
家族の意向
おすすめ文例
本人の好みを尊重し、難しいところだけ手伝ってほしい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
70代女性。片麻痺があり、上衣は工夫すれば着られるが、下衣と靴下に介助が必要。朝に身支度が整うと近所へ出る意欲が高まる。
本人には「自分で服を選び、身支度を整えて外へ出たい。」という希望があり、現在行えていることと生活上の役割を生かす必要がある。
訪問介護員が本人の選択を確認し、衣類を手の届く順に準備する。上衣更衣を見守り、下衣・靴下等の難しい部分を介助する。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が服を選び片手で行える上衣更衣と整容を続けられるよう、訪問介護員が衣類の準備・下衣・靴下等の難しい工程を補い、朝の身支度を整えて本人らしい外出と生活意欲につなげます。
別の表現|短めにまとめたい場合
本人が選んだ衣類で身支度を整え、外出の楽しみにつなげます。上衣を着る動作は見守り、下衣や靴下など難しい工程を補い、本人が行えた部分を関係者で共有します。
第2表の文例
サービスを利用すること自体ではなく、本人が望む生活を続けられることを目標にします。
課題① 好みの服を選び、自分でできる身支度を続けたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
好みの服を選び、自分でできる身支度を続けたい。
長期目標
必要な介助を受けながら本人らしい服装と整容を保ち、意欲的に生活できる。
短期目標
衣類を自分で選び、安定した座位で上衣を着られる。
サービス内容
訪問介護員が本人の選択を確認し、衣類を手の届く順に準備する。上衣更衣を見守り、下衣・靴下等の難しい部分を介助する。
課題② 安全な姿勢で更衣し、転倒や痛みを防ぎたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
安全な姿勢で更衣し、転倒や痛みを防ぎたい。
長期目標
毎日の更衣を安全に行い、身体状態を保てる。
短期目標
椅子を使い、急がず更衣する手順を実践できる。
サービス内容
安定した椅子、足元、室温を確認し、立位時間を短くする。皮膚、関節痛、麻痺側の変化を観察し共有する。
課題③ 身支度を整えて外出や交流を続けたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
身支度を整えて外出や交流を続けたい。
長期目標
本人らしい身だしなみで地域活動や受診へ参加できる。
短期目標
訪問後の予定を介護員へ伝え、必要な準備を一緒に確認できる。
サービス内容
外出予定と天候に合う衣類・持ち物を本人と確認し、移動支援や家族との役割を調整する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 好みの服を選び、自分でできる身支度を続けたい。 | 必要な介助を受けながら本人らしい服装と整容を保ち、意欲的に生活できる。 | 衣類を自分で選び、安定した座位で上衣を着られる。 | 訪問介護員が本人の選択を確認し、衣類を手の届く順に準備する。上衣更衣を見守り、下衣・靴下等の難しい部分を介助する。 |
| 安全な姿勢で更衣し、転倒や痛みを防ぎたい。 | 毎日の更衣を安全に行い、身体状態を保てる。 | 椅子を使い、急がず更衣する手順を実践できる。 | 安定した椅子、足元、室温を確認し、立位時間を短くする。皮膚、関節痛、麻痺側の変化を観察し共有する。 |
| 身支度を整えて外出や交流を続けたい。 | 本人らしい身だしなみで地域活動や受診へ参加できる。 | 訪問後の予定を介護員へ伝え、必要な準備を一緒に確認できる。 | 外出予定と天候に合う衣類・持ち物を本人と確認し、移動支援や家族との役割を調整する。 |
訪問介護のケアプラン作成ポイント
本人の生活目標から位置づける
サービス利用自体を目標にせず、本人が続けたい暮らし、役割、参加を確認します。
本人ができることを生かす
衣類の選択と着脱の能力を分けて確認します。着替えに時間がかかるだけで全介助にせず、本人が工夫して着られる上衣は待ちます。下衣・靴下のどの工程で介助したかを記録し、本人の満足感と身支度後の外出状況も確認します。
更衣の工程と外出へのつながりを評価する
衣類選択、本人が行えた工程、座位・立位、痛み・皮膚、介助量、外出意欲、満足感を確認します。
文例を使うときのポイント
- 衣類の着脱だけでなく、本人の好み、生活歴、その日の予定を反映し、自己決定と役割を支えます。
- 本人と家族の意向を分けて確認します。
- 体調・生活・サービス提供状況の変化に応じて見直します。
まとめ
衣類を選ぶことと上衣更衣は本人の力を生かし、下衣や靴下など難しい工程を補います。身支度が外出の楽しみにつながったかも確認します。


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