褥瘡ケアでは創部処置だけでなく、体位、寝具、栄養、排泄、介護者の負担を一体で確認します。本人の苦痛を減らしながら生活の中で予防と処置を続けます。
本記事では、仙骨部に褥瘡があり、声かけで体位変換に参加できる片麻痺の方を想定します。創部の観察・処置だけでなく、本人の動きを生かす除圧と家族が続けられる支援を、第1表・第2表の文例に整理します。
この記事が参考になるケース
- 80代男性。脳梗塞後の片麻痺があり妻と二人暮らし。仙骨部に褥瘡があり、長時間同じ姿勢になりやすいが、声かけで体位変換へ参加できる。
- 本人は「痛みを減らし、できるだけ楽な姿勢で家族と過ごしたい。」と希望している。
- 家族は「傷を悪化させず、無理のない方法で体位変換と処置を続けたい。」と考えている。
医療的支援は主治医の指示に基づき、状態に応じて訪問看護事業所・関係職種と確認します。
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
痛みを減らし、できるだけ楽な姿勢で家族と過ごしたい。
家族の意向
おすすめ文例
傷を悪化させず、無理のない方法で体位変換と処置を続けたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
80代男性。脳梗塞後の片麻痺があり妻と二人暮らし。仙骨部に褥瘡があり、長時間同じ姿勢になりやすいが、声かけで体位変換へ参加できる。
本人には「痛みを減らし、できるだけ楽な姿勢で家族と過ごしたい。」という希望があり、現在行えていることと生活上の役割を生かす必要がある。
訪問看護師が主治医の指示に基づき創部の状態、滲出液、感染兆候、疼痛、全身状態を確認して処置し、変化を医師へ報告する。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が苦痛の少ない姿勢を選びながら褥瘡の改善を目指せるよう、訪問看護が主治医の指示に基づく創部ケアと全身状態の観察を行い、家族・栄養職・福祉用具事業所と除圧や栄養の方法を共有します。
別の表現|短めにまとめたい場合
本人の痛みと希望を確認し、主治医の指示に沿う創部ケアを行います。家族・関係職種と除圧や栄養の方法を共有します。
第2表の文例
サービスを利用すること自体ではなく、本人が望む生活を続けられることを目標にします。
課題① 傷の痛みを減らし、楽に過ごしたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
傷の痛みを減らし、楽に過ごしたい。
長期目標
褥瘡の悪化を防ぎ、安楽な在宅生活を継続できる。
短期目標
痛みや違和感を伝え、処置を受けられる。
サービス内容
訪問看護師が主治医の指示に基づき創部の状態、滲出液、感染兆候、疼痛、全身状態を確認して処置し、変化を医師へ報告する。
課題② 無理のない方法で同じ姿勢を避けたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
無理のない方法で同じ姿勢を避けたい。
長期目標
適切な除圧を継続し、新たな皮膚障害を予防できる。
短期目標
本人が可能な範囲で体位変換に参加できる。
サービス内容
本人の動きと痛みを確認し、体位変換、クッション、マットレス、座位時間を家族・リハビリ職・福祉用具事業所と調整する。
課題③ 傷の回復に必要な食事と清潔を保ちたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
傷の回復に必要な食事と清潔を保ちたい。
長期目標
栄養と皮膚環境が整い、治癒を促進できる。
短期目標
食事量、排泄、皮膚の汚れを確認して相談できる。
サービス内容
食事・水分、体重、排泄、失禁、清潔状態を確認し、必要時は主治医・管理栄養士・介護職と支援を見直す。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 傷の痛みを減らし、楽に過ごしたい。 | 褥瘡の悪化を防ぎ、安楽な在宅生活を継続できる。 | 痛みや違和感を伝え、処置を受けられる。 | 訪問看護師が主治医の指示に基づき創部の状態、滲出液、感染兆候、疼痛、全身状態を確認して処置し、変化を医師へ報告する。 |
| 無理のない方法で同じ姿勢を避けたい。 | 適切な除圧を継続し、新たな皮膚障害を予防できる。 | 本人が可能な範囲で体位変換に参加できる。 | 本人の動きと痛みを確認し、体位変換、クッション、マットレス、座位時間を家族・リハビリ職・福祉用具事業所と調整する。 |
| 傷の回復に必要な食事と清潔を保ちたい。 | 栄養と皮膚環境が整い、治癒を促進できる。 | 食事量、排泄、皮膚の汚れを確認して相談できる。 | 食事・水分、体重、排泄、失禁、清潔状態を確認し、必要時は主治医・管理栄養士・介護職と支援を見直す。 |
訪問看護のケアプラン作成ポイント
本人の生活目標から位置づける
看護の実施自体を目標にせず、本人が自宅で続けたい暮らしや役割を確認します。
医療と生活をつなぐ
声かけで本人が動ける部分と、介助が必要な部分を体位変換の工程ごとに確認します。痛み、寝具、皮膚の状態と家族の実施状況に合わせて方法を見直し、時間間隔を一律に当てはめません。創部の変化と、楽な姿勢で過ごせた時間・家族の負担を合わせて評価します。
創部の変化と除圧の継続状況を評価する
創部、疼痛、感染兆候、体位変換、寝具、座位時間、栄養・水分、排泄、本人の苦痛、家族の介護負担を確認します。
文例を使うときのポイント
- 処置方法は主治医の指示に従い、創部だけでなく原因となる圧、ずれ、湿潤、栄養状態を評価します。
- 本人と家族の意向を分けて確認します。
- 病状・生活・サービス提供状況の変化に応じて見直します。
まとめ
創部の変化だけでなく、楽に過ごせた姿勢と本人が体位変換に参加できた工程を確認します。除圧の続けやすさと家族の負担も合わせて振り返ります。


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