在宅酸素療法では、機器管理だけでなく、移動、入浴、睡眠、外出時の酸素使用を生活の流れに沿って確認します。本人が安全に活動を続けられる支援を組み立てます。
本記事では、酸素機器の操作はできるものの、チューブが心配で移動を控える方を想定します。処方に沿う使用、室内・庭への動線、火気や停電への備えを、訪問看護の第1表・第2表の文例で示します。
この記事が参考になるケース
- 70代男性。慢性呼吸器疾患で在宅酸素療法を導入し妻と二人暮らし。機器操作はできるが、チューブへの不安から室内移動を控えることがある。
- 本人は「酸素を使いながら、自分で家の中を動き、庭にも出たい。」と希望している。
- 家族は「機器を安全に扱い、苦しさが強い時に適切に相談したい。」と考えている。
医療的支援は主治医の指示に基づき、状態に応じて訪問看護事業所・関係職種と確認します。
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
酸素を使いながら、自分で家の中を動き、庭にも出たい。
家族の意向
おすすめ文例
機器を安全に扱い、苦しさが強い時に適切に相談したい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
70代男性。慢性呼吸器疾患で在宅酸素療法を導入し妻と二人暮らし。機器操作はできるが、チューブへの不安から室内移動を控えることがある。
本人には「酸素を使いながら、自分で家の中を動き、庭にも出たい。」という希望があり、現在行えていることと生活上の役割を生かす必要がある。
訪問看護師が主治医の指示に基づき呼吸状態、SpO2、酸素流量、加湿、鼻カニューレ、機器の作動を確認する。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が在宅酸素を正しく使用しながら室内移動や庭での時間を続けられるよう、訪問看護が呼吸状態・機器・生活動作を確認し、主治医・酸素事業者・家族と安全な使用方法と緊急時対応を共有します。
別の表現|短めにまとめたい場合
処方された流量と機器操作を確認し、室内や庭で安全に過ごせるよう支えます。主治医・酸素事業者・家族と緊急時対応を共有します。
第2表の文例
サービスを利用すること自体ではなく、本人が望む生活を続けられることを目標にします。
課題① 酸素を使いながら安全に生活したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
酸素を使いながら安全に生活したい。
長期目標
呼吸状態を安定させ、希望する在宅生活を継続できる。
短期目標
処方された流量と機器の基本操作を確認できる。
サービス内容
訪問看護師が主治医の指示に基づき呼吸状態、SpO2、酸素流量、加湿、鼻カニューレ、機器の作動を確認する。
課題② チューブを気にしすぎず家の中を動きたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
チューブを気にしすぎず家の中を動きたい。
長期目標
転倒を予防しながら生活範囲を維持できる。
短期目標
動線とチューブ位置を確認し、休憩しながら移動できる。
サービス内容
移動時の息切れと転倒リスクを評価し、チューブの長さ・配置を酸素事業者や福祉用具事業所と調整する。
課題③ 火気と災害時の安全を確保したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
火気と災害時の安全を確保したい。
長期目標
事故を防ぎ、停電や災害時にも必要な対応が取れる。
短期目標
火気禁止、緊急連絡先、予備機器の扱いを本人・家族が確認できる。
サービス内容
酸素吸入中は禁煙とし、周囲2m以内に火気を置かないことを本人・家族と確認する。停電時の予備酸素への切替方法と連絡先は、使用機器に合わせて酸素事業者・医療職と確認する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 酸素を使いながら安全に生活したい。 | 呼吸状態を安定させ、希望する在宅生活を継続できる。 | 処方された流量と機器の基本操作を確認できる。 | 訪問看護師が主治医の指示に基づき呼吸状態、SpO2、酸素流量、加湿、鼻カニューレ、機器の作動を確認する。 |
| チューブを気にしすぎず家の中を動きたい。 | 転倒を予防しながら生活範囲を維持できる。 | 動線とチューブ位置を確認し、休憩しながら移動できる。 | 移動時の息切れと転倒リスクを評価し、チューブの長さ・配置を酸素事業者や福祉用具事業所と調整する。 |
| 火気と災害時の安全を確保したい。 | 事故を防ぎ、停電や災害時にも必要な対応が取れる。 | 火気禁止、緊急連絡先、予備機器の扱いを本人・家族が確認できる。 | 酸素吸入中は禁煙とし、周囲2m以内に火気を置かないことを本人・家族と確認する。停電時の予備酸素への切替方法と連絡先は、使用機器に合わせて酸素事業者・医療職と確認する。 |
訪問看護のケアプラン作成ポイント
本人の生活目標から位置づける
看護の実施自体を目標にせず、本人が自宅で続けたい暮らしや役割を確認します。
医療と生活をつなぐ
機器の操作を本人に任せられても、チューブを伴う移動は別に確認します。本人が使う経路で引っ掛かる場所や休む場所を確かめ、看護師と酸素事業者が環境調整を補います。移動できた距離だけでなく、息切れと本人の不安、庭で過ごせた時間を評価します。
機器操作・移動・非常時の対応を分けて確認する
呼吸状態、SpO2、処方流量、機器、チューブ、皮膚、活動時の息切れ、火気、停電対策、本人の活動範囲を確認します。
文例を使うときのポイント
- 酸素流量は自己判断で変更せず、必ず主治医の処方と指示に基づいて管理します。
- 本人と家族の意向を分けて確認します。
- 病状・生活・サービス提供状況の変化に応じて見直します。
まとめ
処方に沿う酸素使用を保ち、チューブを含めた移動経路を確認します。室内や庭での活動と、火気・停電時の備えを生活場面に合わせて整えます。
火気の注意点は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)「在宅酸素療法を行う際の注意」も確認してください。


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