がん疼痛の訪問看護では、痛みの強さだけでなく、眠り、食事、動作、本人が大切にしたい時間への影響を確認します。症状緩和と生活目標を結びつけます。
本記事では、鎮痛薬を使用していても痛みを我慢しやすく、夜間の痛みで眠りが浅くなる進行がんの方を想定します。痛みの伝え方、薬の効果・副作用、夫との時間を支える第1表・第2表の文例を紹介します。
この記事が参考になるケース
- 70代女性。進行がんで夫と二人暮らし。鎮痛薬を使用しているが、痛みを我慢しやすく、夜間の痛みで睡眠が浅くなることがある。
- 本人は「痛みを和らげ、家で夫と穏やかに過ごしたい。」と希望している。
- 家族は「本人が我慢しすぎず、苦しい時に相談できるようにしたい。」と考えている。
医療的支援は主治医の指示に基づき、状態に応じて訪問看護事業所・関係職種と確認します。
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
痛みを和らげ、家で夫と穏やかに過ごしたい。
家族の意向
おすすめ文例
本人が我慢しすぎず、苦しい時に相談できるようにしたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
70代女性。進行がんで夫と二人暮らし。鎮痛薬を使用しているが、痛みを我慢しやすく、夜間の痛みで睡眠が浅くなることがある。
本人には「痛みを和らげ、家で夫と穏やかに過ごしたい。」という希望があり、現在行えていることと生活上の役割を生かす必要がある。
訪問看護師が疼痛の部位・強さ・性質、生活への影響、バイタルを確認し、主治医へ報告して指示に基づくケアを行う。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が痛みを我慢せず夫と穏やかに過ごせるよう、訪問看護が疼痛・服薬・睡眠・食事を丁寧に確認し、主治医や薬剤師と迅速に連携して症状緩和と本人が大切にする時間を支えます。
別の表現|短めにまとめたい場合
本人が痛みを自分の方法で伝えられるよう支えます。主治医・薬剤師と連携して症状を和らげ、夫と過ごす時間を守ります。
第2表の文例
サービスを利用すること自体ではなく、本人が望む生活を続けられることを目標にします。
課題① 痛みを和らげ、楽に過ごしたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
痛みを和らげ、楽に過ごしたい。
長期目標
苦痛が緩和され、本人が望む自宅での時間を保てる。
短期目標
痛みの場所、強さ、続く時間を自分の方法で伝えられる。
サービス内容
訪問看護師が疼痛の部位・強さ・性質、生活への影響、バイタルを確認し、主治医へ報告して指示に基づくケアを行う。
課題② 鎮痛薬を安心して使用したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
鎮痛薬を安心して使用したい。
長期目標
薬の効果と副作用を調整し、苦痛を最小限にできる。
短期目標
定時薬・頓用薬の使い方と使用後の変化を確認できる。
サービス内容
服薬状況、効果、眠気、便秘、吐き気等を確認し、薬の変更は行わず主治医・薬剤師へ相談する。
課題③ 家族と穏やかな時間を過ごしたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
家族と穏やかな時間を過ごしたい。
長期目標
本人と家族が大切にしたい日課や交流を続けられる。
短期目標
体調に合わせて食事や会話の時間を選べる。
サービス内容
本人の希望と症状の波を確認し、休息、姿勢、清潔、食事、家族との過ごし方を家族・介護職と調整する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 痛みを和らげ、楽に過ごしたい。 | 苦痛が緩和され、本人が望む自宅での時間を保てる。 | 痛みの場所、強さ、続く時間を自分の方法で伝えられる。 | 訪問看護師が疼痛の部位・強さ・性質、生活への影響、バイタルを確認し、主治医へ報告して指示に基づくケアを行う。 |
| 鎮痛薬を安心して使用したい。 | 薬の効果と副作用を調整し、苦痛を最小限にできる。 | 定時薬・頓用薬の使い方と使用後の変化を確認できる。 | 服薬状況、効果、眠気、便秘、吐き気等を確認し、薬の変更は行わず主治医・薬剤師へ相談する。 |
| 家族と穏やかな時間を過ごしたい。 | 本人と家族が大切にしたい日課や交流を続けられる。 | 体調に合わせて食事や会話の時間を選べる。 | 本人の希望と症状の波を確認し、休息、姿勢、清潔、食事、家族との過ごし方を家族・介護職と調整する。 |
訪問看護のケアプラン作成ポイント
本人の生活目標から位置づける
看護の実施自体を目標にせず、本人が自宅で続けたい暮らしや役割を確認します。
医療と生活をつなぐ
痛みの程度だけでなく、いつ眠れなかったか、会話や食事を中断したかを本人と確認します。本人が伝えられる言葉や記録方法を選び、処方された頓用薬を使用した場合は使用時刻とその後の変化を共有します。夜間に困った際の相談先を夫も確認できるようにします。
症状緩和が睡眠と望む時間につながったか評価する
疼痛、鎮痛薬、効果・副作用、睡眠、食事、排便、活動、本人の希望、家族の不安、主治医への報告状況を確認します。
文例を使うときのポイント
- 痛みの訴え方を本人に合わせ、数値だけでなく表情、動作、睡眠や食事への影響を継続して確認します。
- 本人と家族の意向を分けて確認します。
- 病状・生活・サービス提供状況の変化に応じて見直します。
まとめ
痛みの強さや続く時間と、眠り・食事・夫との時間への影響を確認します。我慢せず伝えられたかと薬の効果・副作用を共有し、症状緩和につなげます。


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