排泄動作は移動、扉、方向転換、衣服操作、立ち座りまで複数工程があります。失敗した工程だけを補い、本人ができる部分を保ちます。
本記事では、トイレまで歩けても下衣操作中の立位が不安定な方のケアプランを紹介します。本人に任せる工程と必要な見守り・介助を第1表・第2表で整理します。
この記事が参考になるケース
- 80代男性。下肢筋力低下があり妻と二人暮らし。トイレまで歩行器で移動できるが、ズボンを下げながらの立位が不安定である。
- 本人は「日中は自分でトイレへ行き、排泄したい。」と希望している。
- 家族は「転倒を防ぎながら、本人のプライバシーを守りたい。」と考えている。
訪問リハビリテーションは主治医の指示に基づき、本人の状態と生活目標に合わせて事業所・関係職種と内容を確認します。
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
日中は自分でトイレへ行き、排泄したい。
家族の意向
おすすめ文例
転倒を防ぎながら、本人のプライバシーを守りたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
80代男性。下肢筋力低下があり妻と二人暮らし。トイレまで歩行器で移動できるが、ズボンを下げながらの立位が不安定である。
本人には「日中は自分でトイレへ行き、排泄したい。」という希望があり、現在行えていることと生活上の役割を生かす必要がある。
歩行、扉操作、方向転換、トイレ内スペースを評価し、実際の動線で反復練習する。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が日中の排泄を自分で行いプライバシーを保てるよう、訪問リハビリテーションがトイレ動線・立ち座り・衣服操作を評価し、手すりや衣類を調整して妻と必要最小限の見守り方法を共有します。
別の表現|短めにまとめたい場合
排泄時の移動と衣服操作を評価し、日中のトイレ動作を必要最小限の支援で行えるようにします。
第2表の文例
サービスを利用すること自体ではなく、本人が望む生活を続けられることを目標にします。
課題① 自分でトイレまで移動したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
自分でトイレまで移動したい。
長期目標
日中は歩行器でトイレへ行き排泄できる。
短期目標
扉と方向転換を含め、便座前まで安全に移動できる。
サービス内容
歩行、扉操作、方向転換、トイレ内スペースを評価し、実際の動線で反復練習する。
課題② 衣服を操作して安全に座りたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
衣服を操作して安全に座りたい。
長期目標
立位を保ち、下衣操作と便座への着座ができる。
短期目標
片手で手すりを持ち、もう一方の手で伸縮性のあるズボンを下げられる。
サービス内容
立位バランス、上肢操作、衣類、手すり位置を評価し、本人に合う手順と衣類を提案する。
課題③ 必要な時だけ妻に見守ってほしい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
必要な時だけ妻に見守ってほしい。
長期目標
本人の尊厳と安全を両立し、夫婦の負担を減らせる。
短期目標
危険な工程と一人で行える工程を夫婦で確認できる。
サービス内容
見守る位置、合図、夜間対応を共有し、過介助を避けながらポータブルトイレ等も必要時に検討する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 自分でトイレまで移動したい。 | 日中は歩行器でトイレへ行き排泄できる。 | 扉と方向転換を含め、便座前まで安全に移動できる。 | 歩行、扉操作、方向転換、トイレ内スペースを評価し、実際の動線で反復練習する。 |
| 衣服を操作して安全に座りたい。 | 立位を保ち、下衣操作と便座への着座ができる。 | 片手で手すりを持ち、もう一方の手で伸縮性のあるズボンを下げられる。 | 立位バランス、上肢操作、衣類、手すり位置を評価し、本人に合う手順と衣類を提案する。 |
| 必要な時だけ妻に見守ってほしい。 | 本人の尊厳と安全を両立し、夫婦の負担を減らせる。 | 危険な工程と一人で行える工程を夫婦で確認できる。 | 見守る位置、合図、夜間対応を共有し、過介助を避けながらポータブルトイレ等も必要時に検討する。 |
訪問リハビリテーションのケアプラン作成ポイント
本人の生活目標から位置づける
訓練の実施自体を目標にせず、本人が自宅で続けたい動作や役割を確認します。
訓練と生活をつなぐ
移動ができることと排泄全体の自立は分けます。本人が片手で支持して衣服を操作できるかを実場面で確認し、下げる時だけでなく排泄後に上げる動作も評価します。不安定な工程のみ妻が支え、便座に座った後は本人の同意を得た位置で待つなど、安全とプライバシーを両立させます。
変化と連絡方法を共有する
下衣の上げ下げと着座で手を貸した工程、ふらつき、急いで動いた場面を記録します。日中の同じ場面で介助量を比較し、妻を呼ぶ合図が使えたか、本人が望む距離で見守れたかも確認します。衣類や手すりを変えた後は、自立度と安全性を改めて評価します。
文例を使うときのポイント
- 筋力だけでなく尿意、便意、認知、衣類、照明、時間帯、トイレの広さを含めて評価します。
- 本人と家族の意向を分けて確認します。
- 病状・生活・サービス提供状況の変化に応じて見直します。
まとめ
扉操作、方向転換、衣服操作のうち難しい工程を特定します。プライバシーに配慮し、手すりと見守り位置を調整します。


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