進行性の神経筋疾患では、機能改善だけを追わず、呼吸、疲労、痛み、意思を確認しながら安楽な姿勢と介助方法を整えます。
本記事では、神経筋疾患でベッド上の時間が増えた方の姿勢調整と拘縮予防のケアプランを紹介します。視線による希望の確認と、痛み・呼吸・家族介助の評価を第1表・第2表で示します。
この記事が参考になるケース
- 60代男性。神経筋疾患で妻と二人暮らし。ベッド上で過ごす時間が増え、肩と股関節に痛みがあるが、視線で姿勢の希望を伝えられる。
- 本人は「苦しくない姿勢を選び、家族と落ち着いて過ごしたい。」と希望している。
- 家族は「関節を痛めず、本人の希望に沿って姿勢を変えたい。」と考えている。
訪問リハビリテーションは主治医の指示に基づき、本人の状態と生活目標に合わせて事業所・関係職種と内容を確認します。
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
苦しくない姿勢を選び、家族と落ち着いて過ごしたい。
家族の意向
おすすめ文例
関節を痛めず、本人の希望に沿って姿勢を変えたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
60代男性。神経筋疾患で妻と二人暮らし。ベッド上で過ごす時間が増え、肩と股関節に痛みがあるが、視線で姿勢の希望を伝えられる。
本人には「苦しくない姿勢を選び、家族と落ち着いて過ごしたい。」という希望があり、現在行えていることと生活上の役割を生かす必要がある。
呼吸、疲労、疼痛、関節、意思伝達を評価し、本人の反応を確認しながらポジショニングを調整する。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が視線で選んだ苦痛の少ない姿勢で家族と過ごせるよう、訪問リハビリテーションが呼吸・疲労・関節・座位を評価し、妻や看護職とポジショニング・福祉用具・介助方法を統一します。
別の表現|短めにまとめたい場合
視線や合図で選んだ姿勢を保ち、呼吸と痛みに配慮して安楽に過ごせるよう支援します。
第2表の文例
サービスを利用すること自体ではなく、本人が望む生活を続けられることを目標にします。
課題① 苦しくない姿勢を自分で選びたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
苦しくない姿勢を自分で選びたい。
長期目標
呼吸と痛みに配慮した安楽な姿勢で過ごせる。
短期目標
視線や合図で姿勢変更の希望を伝えられる。
サービス内容
呼吸、疲労、疼痛、関節、意思伝達を評価し、本人の反応を確認しながらポジショニングを調整する。
課題② 関節の痛みと拘縮を防ぎたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
関節の痛みと拘縮を防ぎたい。
長期目標
苦痛を抑え、清潔・更衣・移乗に必要な可動性を保てる。
短期目標
家族の介助で無理のない関節運動と体位変換を行える。
サービス内容
主治医の指示に沿って関節可動域と皮膚を確認し、痛みを生じない介助とクッション配置を家族へ助言する。
課題③ 家族が安全に姿勢を整えたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
家族が安全に姿勢を整えたい。
長期目標
家族の負担を抑え、本人の希望に沿うケアを続けられる。
短期目標
妻が合図を確認してリフトや電動ベッドを操作できる。
サービス内容
電動ベッド、リフト、車いす、クッションを福祉用具事業所・看護職と調整し、統一手順を共有する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 苦しくない姿勢を自分で選びたい。 | 呼吸と痛みに配慮した安楽な姿勢で過ごせる。 | 視線や合図で姿勢変更の希望を伝えられる。 | 呼吸、疲労、疼痛、関節、意思伝達を評価し、本人の反応を確認しながらポジショニングを調整する。 |
| 関節の痛みと拘縮を防ぎたい。 | 苦痛を抑え、清潔・更衣・移乗に必要な可動性を保てる。 | 家族の介助で無理のない関節運動と体位変換を行える。 | 主治医の指示に沿って関節可動域と皮膚を確認し、痛みを生じない介助とクッション配置を家族へ助言する。 |
| 家族が安全に姿勢を整えたい。 | 家族の負担を抑え、本人の希望に沿うケアを続けられる。 | 妻が合図を確認してリフトや電動ベッドを操作できる。 | 電動ベッド、リフト、車いす、クッションを福祉用具事業所・看護職と調整し、統一手順を共有する。 |
訪問リハビリテーションのケアプラン作成ポイント
本人の生活目標から位置づける
訓練の実施自体を目標にせず、本人が自宅で続けたい動作や役割を確認します。
訓練と生活をつなぐ
姿勢を選ぶ役割は本人に任せ、変更前後に視線や合図で苦痛の有無を確認します。妻は評価済みの方法でクッションやベッドを調整します。関節を大きく動かすこと自体を目標にせず、更衣や清潔ケアで痛みが出る場面から支援方法を選び、呼吸苦や疲労が増す方法は続けません。
変化と連絡方法を共有する
姿勢変更前後の本人の合図、呼吸の様子、痛み、疲労、皮膚の変化を比較します。可動域だけでなく、更衣や清潔ケアの介助で苦痛が減ったか、妻が同じ配置を再現できたかを評価します。これまでの姿勢で苦痛が増える場合は、看護職・主治医と状態を確認して方法を見直します。
文例を使うときのポイント
- 機能向上を優先して疲労や苦痛を増やさず、本人の意思と病状進行に応じて目標を見直します。
- 本人と家族の意向を分けて確認します。
- 病状・生活・サービス提供状況の変化に応じて見直します。
まとめ
姿勢変更は本人の視線や合図で希望を確認します。呼吸、痛み、皮膚状態と介助者の手順を見ながら、用具とポジショニングを調整します。


コメント