予定・お金・記憶・情報整理で取り組む高齢者向け脳トレ|生活場面の無料プリント

デイサービス、デイケア、介護施設、ご自宅で使える高齢者向け脳トレプリント5種類を無料で掲載しています。

今回の資料26〜30では、カレンダー、レシート、物の置き場所、地域のお知らせ、家事など、実際の生活に近い題材を使っています。一般的な漢字、計算、クイズだけではなく、必要な情報を見つける、覚えておく、予定や金額を確認する、時間を考える、生活の段取りを組み立てる活動を意識した資料です。

視覚探索、日付理解、予定管理、前後関係の把握、生活計算、視空間記憶、遅延再生、読解、情報抽出、要点整理、遂行機能、時間管理、優先順位、同時進行の理解、問題解決などを意識しています。正解数だけでなく、どこを見たか、何を手がかりにしたか、なぜその答えにしたかを会話につなげながらご活用ください。

※本資料は認知症の治療や認知機能の改善・予防、生活機能改善の効果を保証するものではありません。日中活動、認知刺激、会話、意思表出、参加機会をつくるための資料として使用することを想定しています。

予定・お金・記憶・情報整理を生活場面で考える脳トレ

日常生活では、情報を覚えるだけでなく、必要な場所を探し、日付や金額を確認し、複数の予定に合わせて行動を組み立てています。カレンダーやレシートのように情報が並んだ中から、今必要な部分を見つける力も使います。

今回のプリントでは、暗記量や計算の速さだけを評価しません。本人が使いやすい手がかりを探し、紙に書く、指で追う、電卓を使う、職員と確認するなど、生活の中で使える方法も大切にします。

今回掲載する高齢者向け無料プリント5種類

26.カレンダーから予定を探す

ある月のカレンダーを見ながら、歯科の予定日、家族が来る予定の次の予定、通院の4日前にある予定、予定が入っていない日などを探す課題です。

主に意識する認知機能:視覚探索、日付理解、予定管理、前後関係の把握

単に数字を読むだけではなく、日付と予定を対応させ、予定の前後関係を確認します。実生活でも、受診日、サービス利用日、家族の訪問日などをカレンダーで確認し、準備や連絡の日を考える場面があります。

資料の設計意図:月全体の中から目的の日付を探し、同じ枠に書かれた予定を読み取れるようにしています。「4日前」「次の予定」といった問いでは、一つの日付だけでなく前後の関係も確認します。

職員さんへのポイント:答えを急がせず、「まず歯科という文字を探しますか、それとも日付から見ますか」と、本人の探し方を確認してください。指で日付を追う、予定がある日に印をつける方法も実生活で使える工夫です。

難しい場合:1週間だけを見る、目的の日付を職員と一緒に探す、予定がある日だけ囲む、質問を1問ずつ提示する方法があります。前後関係が難しい場合は、基準の日を確認してから一日ずつ数えます。

27.レシートを見て金額を確認する

買い物レシートを見ながら、いちばん高い商品、200円以下の商品数、合計金額、支払額に対するおつりを確認する課題です。

主に意識する認知機能:数字の探索、注意、生活計算、金銭管理に関する生活判断

これは計算式だけを解く問題ではありません。実生活では、買った物と値段を対応させ、合計金額を確認し、支払額とおつりが合っているかを見るなど、複数の情報を照合します。

資料の設計意図:商品名、単価、個数、合計など、レシートに近い形式の情報から、質問に必要な数字を選んで使います。計算する前に、どの金額を見るのかを判断することも課題の一部です。

職員さんへのポイント:計算結果だけでなく、商品名と値段を正しく対応させられたか、合計や支払額の欄を見つけられたかも確認します。電卓を使ったから失敗と考えず、生活の中で本人が使いやすい方法として認めてください。

難しい場合:2品ずつ足す、値段だけを書き出す、商品名と値段を指で対応させる、筆算や電卓を補助的に使用する方法があります。見る行を紙で隠し、一つずつ確認しても構いません。

28.置き場所を覚えて思い出す

棚の中に置かれた眼鏡、鍵、財布、リモコン、湯のみ、本の位置を見て覚え、少し時間を置いてから「何が、どこにあったか」を思い出す課題です。

主に意識する認知機能:視空間記憶、位置記憶、遅延再生、注意

物の名称だけを覚えるのではなく、品物と場所の組み合わせを扱います。実生活でも、鍵や眼鏡を置いた場所を覚え、必要なときに探す場面があります。

資料の設計意図:棚の段や左右の位置を視覚的に示し、物品情報と位置情報を関連づけて覚えられるようにしています。覚える時間と、別の課題を挟んでから思い出す時間を分けることで、遅延後の想起にも取り組みます。

職員さんへのポイント:思い出せないときに「さっき見ました」と繰り返し訂正せず、「上の段でしたか、下の段でしたか」「毎日使う物でしたね」など段階的な手がかりを出します。どの手がかりが役立ったかも確認してください。

難しい場合:6個から3個に減らす、覚える時間を長くする、物の名称を一緒に確認する、位置を指差しながら覚える方法があります。「記憶できなかった=できない」と判断せず、手がかりを使って参加できる方法を探します。

29.お知らせから必要な情報を探す

地域交流会のお知らせを読み、開催日、会場、持ち物、申込期限など、質問に必要な情報を探す課題です。

主に意識する認知機能:読解、情報抽出、注意、要点整理

文章全部を暗記することが目的ではありません。実生活では、病院のお知らせ、自治体からの通知、施設の案内、行事予定などから、自分に必要な日時や場所、準備物だけを確認する場面があります。

資料の設計意図:見出しや本文の中に複数の情報を配置し、質問を手がかりに該当箇所を探せるようにしています。読む量だけでなく、何を探すかを決めて要点を選ぶことを意識します。

職員さんへのポイント:最初から全文を覚えさせるのではなく、質問を確認してから本文へ戻ります。「日時はどこに書いてありそうですか」と、情報の探し方を一緒に整理してください。

難しい場合:日時だけ探す、場所だけ探す、質問を先に読んでから本文を見る、重要な部分に線を引く、職員が読み上げる方法があります。一段落ずつ紙で区切って提示しても構いません。

30.家事の時間を組み立てる

午前11時に来客予定、現在は午前9時30分という設定で、炊飯40分、洗濯45分、掃除機20分の家事をどのように進めるか考えます。何から始めるか、洗濯が何時に終わるか、洗濯中に掃除機をかけられるか、自分ならどの順番にするかを検討します。

主に意識する認知機能:遂行機能、時間管理、優先順位、同時進行の理解、問題解決

炊飯器や洗濯機を動かしている間に別の家事を行うなど、複数の作業をどう組み合わせるかを考える生活場面型の課題です。正解を一つに固定せず、来客までの時間や本人のやり方を踏まえて順番を考えます。

資料の設計意図:開始時刻、所要時間、来客時刻を見比べ、家事を直列に行う方法と同時進行する方法を考えられるようにしています。作業時間を計算するだけでなく、段取りとして組み立てることを重視します。

職員さんへのポイント:本人が考えた順番について、「なぜ最初にそれをしますか」「機械が動いている間にできることはありますか」と理由を聞きます。職員の想定と違っていても、時間内に進められる合理的な方法であれば尊重してください。

難しい場合:家事を二つに減らす、開始時刻と終了時刻を書き出す、時計を一緒に見る、最初の作業だけ決める方法があります。同時進行が難しい場合は、一つずつ順番に並べるところから始めます。

無料PDF

用途に合わせて、利用者用、職員向け解説・答え、両方をまとめた完全版を用意しています。いずれもA4で印刷して使えるPDFです。

利用者用プリント26〜30

A4・印刷用PDF。カレンダー、レシート、置き場所の記憶、お知らせ、家事の時間管理の5種類を収録しています。

職員向け解説・答え

A4・印刷用PDF。各課題の見方、答え、声かけ、難易度調整の考え方を職員向けにまとめています。

利用者用+職員向け完全版

A4・印刷用PDF。利用者用プリント26〜30と職員向け解説・答えを一つにまとめています。

生活の中では「覚える」だけでなく「探す・確認する」力も使います

今回の資料には、予定を探す、レシートを確認する、置き場所を思い出す、案内から必要な情報を探す、時間を組み立てる課題があります。生活の中では、すべてを頭の中だけで覚えておくのではなく、カレンダーやメモを見直し、必要な部分を探して確認しています。

介護文例ナビでは、単純な暗記量や計算力だけでなく、必要な情報を見つけられるか、手がかりを使えるか、生活の中でどのように考えるかという視点も大切にしています。紙に書く、印をつける、電卓を使うことも生活上の工夫です。

難しすぎるときの調整方法

課題が難しいときは、できないと判断する前に、提示方法や支援量を調整します。

  • 問題数を減らす
  • 見る範囲を小さくする
  • 選択肢を減らす
  • 一度に覚える物を減らす
  • 職員が文章を読み上げる
  • 重要部分に線を引く
  • 日付や金額を指差す
  • 最初の1問を一緒に行う
  • 計算を紙に書き出す
  • 必要に応じて電卓を使う
  • 手がかりを出す
  • 疲れたら休憩する

同じ方でも、体調、時間帯、周囲の音、座る位置によって取り組みやすさは変わります。難易度を下げることは、本人の力を低く見ることではありません。「できる問題を探す」のではなく「できる方法を探す」という視点を大切にしています。

正解だけで終わらせず、考え方を聞いてみる

家事の時間を組み立てる課題には、複数の合理的な順番があります。予定、置き場所、お知らせの課題でも、正解したかだけでなく、どこを見たか、何を手がかりにしたかを聞くことで、本人の考え方や使いやすい方法が分かります。

職員の方法と違う場合も、すぐに修正せず理由を聞いてください。本人の生活経験や習慣を尊重し、会話を通して考え方を共有することを重視します。

介護文例ナビの脳トレ資料について

介護文例ナビでは、高齢者を子ども扱いせず、大人が自然に取り組める落ち着いた資料を目指しています。子ども向け教材のような装飾にはせず、文字は大きく太く、十分な余白を確保し、色は課題の邪魔にならない程度に使用します。

イラストは理解を助ける場合に使います。学歴や計算能力だけに依存せず、読む、探す、選ぶ、指差す、話すなど、本人に合った方法へ調整できることも大切にしています。軽度から重度まで一律の課題を求めず、情報量、選択肢、職員の支援量を変えます。

職員にも課題の目的が分かり、単なる暇つぶしプリントにならないよう、介護・リハビリテーションの視点を取り入れています。利用者用プリントには認知症の病名を直接表示せず、一つの活動として自然に取り組めるようにしています。

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※本記事と掲載資料は、医師による診断・治療や、所属事業所で定められた評価を置き換えるものではありません。体調や疲労、視力・聴力、本人の希望に配慮し、無理のない範囲で使用してください。

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