ケアプラン文例【パーキンソン病・外出減少・閉じこもり】|活動量が低下した場合の第1表・第2表の記入例

パーキンソン病のある利用者では、歩行への不安や転倒経験、動作のしにくさなどから外出する機会が少なくなり、自宅で過ごす時間が増えることがあります。

外出が減ると、身体活動だけでなく、人との交流や趣味、家庭内での役割まで少なくなり、生活全体の活動性が低下することがあります。

ここでは、パーキンソン病により歩行への不安が強くなり、以前楽しんでいた外出や地域交流が減っている利用者を例に、第1表・第2表のケアプラン文例を紹介します。

この記事が参考になるケース

  • パーキンソン病があり外出回数が減っている
  • 転倒への不安から一人で出かけなくなった
  • 以前楽しんでいた買い物や散歩をしなくなった
  • 自宅で座って過ごす時間が増えている
  • 家族が安全を心配して外出を止めることがある
  • 本人は本当は外へ出たい気持ちを持っている
  • 活動量低下や体力低下が心配されている

担当ケースに近い部分を選び、本人が以前行っていた外出、現在の歩行能力、転倒歴、体調、家族の考え、地域とのつながりなどに合わせて調整してください。

※外出や活動が急に減った場合には、転倒への不安だけでなく、体調変化、疼痛、疲労、気分の落ち込み、服薬状況等についても確認し、必要に応じて医療職等へ相談してください。

利用者像の例

  • 74歳・男性・要介護2
  • 妻と二人暮らし
  • パーキンソン病
  • 食事・排泄・更衣は概ね自立
  • 屋内移動は杖や手すり等を利用
  • 屋外では歩行補助具を使用している
  • 半年前に自宅近くで転倒した経験がある
  • 転倒後から一人で外へ出ることが減った
  • 以前は近所のコンビニや公園まで歩いていた
  • 将棋仲間と月数回集まることを楽しみにしていた
  • 最近は自宅でテレビを見て過ごす時間が増えている
  • 妻も転倒を心配し「無理して出なくていい」と声をかけることが多い
  • 本人は「また近所くらいは歩きたい」と話している
  • 通所介護週2回利用

本人・家族の意向の文例

本人の意向

おすすめ文例|外出を再開したい場合

転ぶのは心配だが、ずっと家の中にいるのではなく、また近所を歩いたり買い物に行ったりしたい。

別の表現①|人との交流を続けたい場合

以前のように友人に会ったり、将棋をしたりして人との付き合いを続けたい。

別の表現②|自分のペースで活動したい場合

体の調子を見ながら、無理のない範囲で自分の好きなことを続けたい。

家族の意向

おすすめ文例|安全と活動を両立したい場合

転倒は心配だが、家の中だけで過ごして体力が落ちることも心配している。安全に外へ出られる方法を考えたい。

別の表現|楽しみを取り戻したい場合

以前は友人と出かけたり趣味を楽しんだりしていたので、本人がまた楽しみを持って生活できるようにしたい。

第1表の文例

利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果

おすすめ文例

本人は妻と住み慣れた自宅で生活し、以前のように近所への散歩や買い物、友人との交流を続けたいと希望している。現在も身の回りの生活動作は概ね自立しており、屋内移動も行えている。一方、パーキンソン病による歩行の不安定さと転倒経験から、屋外歩行への不安が強くなり、一人で外出する機会が減少している。妻も転倒を心配して外出を控えるよう勧めることがあり、本人は自宅でテレビを見て過ごす時間が増えている。活動量の低下が続くことで身体機能や生活意欲の低下につながる可能性があるため、本人が外出したい目的や場所を確認し、歩行状態や体調に合わせた安全な方法で外出や社会交流を再開できるよう支援する必要がある。

別の表現|社会参加を重視する場合

本人は転倒への不安から外出機会が減少しているが、友人との交流や趣味活動を再開したいという希望を持っている。本人にとって外出は身体活動だけでなく、人とのつながりや生活の楽しみにつながっている。安全確保だけを理由に活動を制限するのではなく、本人が無理なく参加できる活動や外出方法を検討し、生活範囲と社会とのつながりを維持する必要がある。

総合的な援助の方針

おすすめ文例

本人が転倒への不安から活動を過度に制限することなく、現在の歩行能力や体調に合わせて外出や趣味活動を継続できるよう支援する。本人が行きたい場所や続けたい活動を確認し、安全な移動方法や休憩方法を検討する。日中の活動量を確保しながら疲労にも配慮し、本人の状態に合わせて無理のない活動を行う。本人・家族が転倒リスクと活動継続の両方について理解し、家の中だけに閉じこもらず楽しみや社会とのつながりを持てる生活を支援する。

別の表現|短めにまとめたい場合

本人の歩行状態と体調に配慮しながら、安全に外出・趣味・交流を継続できるよう支援する。転倒を心配して活動を制限しすぎず、本人が楽しみや役割を持ち、活動的な生活を続けられるよう本人・家族と支援方法を共有する。

第2表の文例

外出が減っている場合も、「外へ出る回数を増やすこと」だけを目標にするのではなく、本人が何のために外出したいのかを確認し、生活の楽しみや役割、社会とのつながりにつなげて考えます。

課題① 転倒を心配しすぎず外へ出たい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

転ぶことを心配して家の中だけで過ごさず、安全に近所へ出かけたい。

ニーズの別表現|生活範囲を重視する場合

体の状態に合わせて、自宅の外にも活動できる場所を持ちたい。

長期目標

本人が安全な方法で外出し、自宅外で活動する生活を継続できる。

短期目標

本人の歩行状態や体調に合わせて、近所への散歩等の外出を無理なく行うことができる。

サービス内容

屋外歩行の状態、疲労、転倒しやすい場面等を確認し、本人が安全に外出できる距離や方法を検討する。体調に応じて休憩を取り入れ、無理のない活動量とする。

課題② 友人と会い趣味を楽しみたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

以前から付き合いのある友人と会い、将棋など好きなことを楽しみたい。

長期目標

本人が趣味や人との交流を継続し、生活の中に楽しみを持つことができる。

短期目標

本人が楽しめる趣味や交流の機会を持ち、定期的に人と関わることができる。

サービス内容

本人がこれまで楽しんできた趣味や友人関係を確認し、現在の身体状況でも参加できる方法を本人と一緒に考える。本人の興味や役割につながる活動機会を確保する。

課題③ 家の中でも体を動かし活動的に過ごしたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

外出できない日も座っているだけにならず、自分でできることをしながら過ごしたい。

長期目標

日常生活の中で無理なく身体を動かし、現在の活動性を維持できる。

短期目標

家事や身の回りの動作など、本人が行える活動を日常生活の中で継続できる。

サービス内容

本人が自宅で行っている家事や役割を確認し、無理のない範囲で生活の中に活動機会を取り入れる。長時間座ったままにならないよう本人の体調に合わせて活動を促す。

課題④ 妻も転倒を心配しすぎず外出を応援したい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

妻も転倒を心配して外出を止めるのではなく、安全にできることを一緒に考えながら本人を支えたい。

長期目標

本人・妻が安全に活動する方法を理解し、過度な不安なく外出や活動を継続できる。

短期目標

本人が安全に行える活動と注意が必要な場面を妻・関係者で共有できる。

サービス内容

本人の歩行状態や活動能力を具体的に家族と共有し、どのような外出であれば安全に行えるかを一緒に確認する。転倒への不安だけで活動を制限しすぎないよう支援する。

第2表の完成イメージ

上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。

※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標 サービス内容
転倒を心配して家の中だけで過ごさず、安全に近所へ出かけたい。 安全な方法で外出し、自宅外で活動する生活を継続できる。 歩行状態や体調に合わせて、無理なく外出できる。 屋外歩行の状態や疲労等を確認し、安全に行える距離・方法を検討する。
友人と会い、将棋など好きなことを楽しみたい。 趣味や人との交流を継続し、生活に楽しみを持てる。 定期的に趣味や交流の機会を持つことができる。 本人の趣味や友人関係を確認し、現在の状態でも参加できる方法を検討する。
外出できない日も、自分でできることをしながら過ごしたい。 日常生活の中で身体を動かし、現在の活動性を維持できる。 家事や身の回りの活動を日常的に継続できる。 本人が行える家事や役割を生活の中に取り入れ、活動機会を確保する。
妻も転倒を心配しすぎず、安全に活動できる方法を一緒に考えたい。 本人・妻が過度な不安なく外出や活動を継続できる。 安全に行える活動と注意が必要な場面を共有できる。 本人の能力を具体的に共有し、必要以上に活動を制限しない支援方法を確認する。

パーキンソン病・外出減少のケアプランで意識したいポイント

「外出しない人」と決めつけない

現在外出していなくても、本人が本当に外へ出たくないとは限りません。転倒不安、移動手段、疲労、家族の心配など、外出できなくなっている理由を確認します。

外出の目的を確認する

「週2回外出する」という回数だけでは生活目標になりません。買い物、散歩、友人との交流、趣味など、本人にとって何のための外出なのかを確認します。

転倒予防=外出禁止にしない

安全確保は重要ですが、転倒を防ぐために活動をすべて制限すると、身体機能や生活意欲の低下につながる可能性があります。安全に行える方法を探す視点が必要です。

社会参加も生活機能の一つとして考える

友人との交流や趣味活動は、本人の楽しみだけでなく、生活リズムや活動性を保つことにもつながります。身体機能だけではなく、人とのつながりもアセスメントします。

外出できない日の活動も考える

天候や体調によって外出できない日もあります。自宅内の家事、趣味、役割など、本人が身体を動かしたり生活の目的を持ったりできる活動を確認します。

疲労にも配慮する

活動量を増やすことだけを優先せず、外出後の疲れ方や翌日の状態も確認します。本人の体調に合わせて距離や時間、休憩を調整します。

家族の不安も整理する

家族が外出を止める背景には転倒や事故への不安があります。「心配しすぎ」と否定するのではなく、本人が安全にできる活動と注意が必要な場面を具体的に共有します。

文例を使うときのポイント

  • 外出が減った理由を具体的に確認する
  • 転倒経験や屋外歩行状態を把握する
  • 本人が行きたい場所や会いたい人を確認する
  • 本人が大切にしてきた趣味や役割を見る
  • 転倒予防を理由に活動を制限しすぎない
  • 外出できない日の活動も考える
  • 疲労や体調に合わせて活動量を調整する
  • 家族の安全への不安にも配慮する

まとめ

パーキンソン病によって外出機会が減っている場合には、単に「もっと外へ出る」ことを目標にするのではなく、なぜ外出が減ったのか、本人がどのような活動を続けたいのかを確認することが重要です。

転倒への不安に配慮しながら、本人が安全に行える外出方法や活動を検討し、友人との交流や趣味など本人にとって意味のある生活を残します。

身体機能だけではなく、楽しみ・役割・社会参加まで含めて支援することで、パーキンソン病があっても活動的で本人らしい生活を続けられるケアプランにつながります。

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