ケアプラン文例【パーキンソン病・便秘・排泄動作】|トイレ動作が難しい場合の第1表・第2表の記入例

パーキンソン病のある利用者では、便秘が続くことや、トイレまでの移動、衣類の上げ下げ、便座からの立ち上がりなどに時間がかかることがあります。

排泄の問題を「便が出ない」「トイレに間に合わない」だけで捉えるのではなく、排便リズム、食事・水分、活動量、服薬状況、トイレまでの移動や一連の排泄動作を分けて確認することが重要です。

ここでは、パーキンソン病があり便秘傾向と排泄動作の遅さがみられるものの、できる限り自分でトイレへ行きたい利用者を例に、第1表・第2表のケアプラン文例を紹介します。

この記事が参考になるケース

  • パーキンソン病があり便秘が続いている
  • 排便間隔にばらつきがある
  • トイレまでの移動に時間がかかる
  • 便座からの立ち上がりが難しくなっている
  • 衣類の上げ下げに時間を要する
  • 家族が排泄を心配して先回りして介助している
  • 本人は自分でトイレへ行く生活を続けたい

担当ケースに近い部分を選び、本人の排便状況、食事・水分、活動量、排泄動作、住環境、本人・家族の希望などに合わせて調整してください。

※便秘が長く続く、強い腹痛や嘔吐がある、血便がみられる、急に排便状態が変化した場合などは、介護支援だけで対応せず、必要に応じて医療職へ相談してください。下剤等の使用方法も自己判断で変更せず、処方内容に沿って対応します。

利用者像の例

  • 79歳・男性・要介護2
  • 妻と二人暮らし
  • パーキンソン病
  • 食事・更衣は概ね自立
  • 屋内移動は歩行器等を使用している
  • 便秘傾向があり、排便は数日に1回となることがある
  • 排便時に時間を要することが増えている
  • トイレまでの移動や方向転換がゆっくりしている
  • ズボンの上げ下げにも時間がかかる
  • 便座からの立ち上がり時に不安定さがみられる
  • 妻は失敗を心配し、早めに介助することが増えている
  • 本人は「トイレくらいはできるだけ自分で行きたい」と話している
  • 日によって活動量や水分摂取量にばらつきがある
  • 通所介護週2回利用

本人・家族の意向の文例

本人の意向

おすすめ文例|自分で排泄したい場合

時間がかかっても、できる限り自分でトイレへ行き、自分のことは自分で続けたい。

別の表現①|便秘の苦痛を減らしたい場合

便が出ないとお腹が張ってつらいので、無理なく排便できるようにしたい。

別の表現②|人に頼りすぎたくない場合

排泄のたびに全部手伝ってもらうのではなく、自分でできるところは自分で行いたい。

家族の意向

おすすめ文例|安全を心配している場合

トイレで転ばないか心配だが、本人が自分でできる排泄動作はできるだけ続けてもらいたい。

別の表現|便秘を心配している場合

便秘が続くと本人もつらそうなので、食事や水分、活動も含めて排便しやすい生活を整えたい。

第1表の文例

利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果

おすすめ文例

本人は妻と住み慣れた自宅で生活を続け、排泄についてもできる限り自分で行いたいと希望している。現在も歩行器等を使用してトイレまで移動することができ、排泄動作の多くを自ら行えている。一方、パーキンソン病による動作緩慢等から、トイレへの移動、方向転換、衣類の上げ下げ、便座からの立ち上がりに時間を要するようになっている。また便秘傾向があり、排便間隔にはばらつきがみられる。妻は排泄の失敗や転倒を心配し、本人が動作を始める前に介助することが増えている。本人が現在行える排泄動作を活かしながら、安全にトイレを使用できる環境を整えるとともに、排便状況、食事・水分摂取、活動量等を確認し、本人に合った排便リズムを整える必要がある。

別の表現|便秘と活動性を重視する場合

本人は便秘による腹部不快感を訴えることがあり、排便間隔が長くなることがある。また、歩行や生活動作に時間を要するようになり、以前より活動量が低下している。便秘だけを単独で捉えず、食事・水分、日中活動、排泄習慣、服薬状況等を確認しながら、本人が無理なく排便できる生活リズムを整える必要がある。排泄動作については、本人が自ら行える工程を活かし、安全上必要な部分のみ支援することで自立した生活を継続できるよう支援する。

総合的な援助の方針

おすすめ文例

本人ができる限り自分でトイレへ行き排泄できるよう、移動、衣類操作、立ち座り等の排泄動作を工程ごとに確認し、自分で行える部分は見守り、安全上必要な部分のみ支援する。排便日、便性状、食事・水分摂取、活動量等を確認し、本人に合った排便リズムを把握する。便秘や排泄状態の変化について家族・関係職種で共有し、症状の悪化や服薬に関する相談が必要な場合には医療職へつなげる。本人の尊厳を大切にしながら、安全で快適な排泄を支援する。

別の表現|短めにまとめたい場合

本人が現在行えている排泄動作を活かし、安全にトイレを使用できるよう必要な部分のみ支援する。排便状況、食事・水分、活動量等を確認し、本人に合った排便リズムを整えながら、便秘や状態変化について関係者で共有する。

第2表の文例

便秘や排泄動作の低下がある場合も、「毎日便を出す」「失敗しない」といった結果だけを目標にせず、本人が無理なく排便し、自分でできる排泄動作を続けられることを目標として考えます。

課題① できる限り自分でトイレへ行きたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

時間がかかっても、自分でトイレへ行き、自分でできる排泄動作を続けたい。

ニーズの別表現|自立を重視する場合

排泄のたびにすべて介助されず、自分でできることは自分で行いたい。

長期目標

本人の現在の排泄能力を活かし、安全にトイレで排泄する生活を継続できる。

短期目標

必要な見守りや支援を受けながら、トイレまで移動し、自分で行える排泄動作を継続できる。

サービス内容

トイレへの移動、方向転換、衣類操作、立ち座り等を工程ごとに確認し、本人が自分で行える動作は見守る。転倒等の危険がある場面のみ必要な支援を行う。

課題② 便秘によるつらさを減らし気持ちよく排便したい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

便秘によるお腹の張りや不快感を減らし、無理なく排便できるようになりたい。

長期目標

本人に合った排便リズムが整い、便秘による不快感を少なくして生活できる。

短期目標

排便日や便性状等を確認し、本人の排便パターンを把握することができる。

サービス内容

排便日、便性状、腹部不快感等を確認し、本人が排便しやすい時間帯や生活状況を把握する。排便状態に変化がある場合には家族・関係職種で共有する。

課題③ 食事・水分・活動を続けながら体調を整えたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

食事や水分を取り、体を動かしながら体調を整えて生活したい。

長期目標

本人に合った食生活・水分摂取・活動を継続し、安定した体調で生活できる。

短期目標

日々の食事・水分摂取や活動量を確認し、無理のない範囲で生活リズムを保つことができる。

サービス内容

食事・水分摂取状況、日中活動、排便状況等を確認する。本人の体調や身体機能に合わせて、生活の中で無理なく活動する機会を確保する。

課題④ 妻も排泄を心配しすぎず本人を支えたい

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

妻も失敗や転倒を心配してすべて手伝わず、本人ができる排泄動作を見守りながら生活したい。

長期目標

本人の排泄能力が活かされ、妻も過度な介助負担を抱えず在宅生活を継続できる。

短期目標

本人が自分でできる排泄動作と介助が必要な場面を妻・関係者で共有できる。

サービス内容

本人の排泄動作を確認し、自立して行える部分と見守り・介助が必要な部分を整理する。家族が先回りして介助しすぎないよう支援方法を共有する。

第2表の完成イメージ

上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。

※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標 サービス内容
時間がかかっても、自分でトイレへ行き、自分でできる排泄動作を続けたい。 現在の排泄能力を活かし、安全にトイレで排泄する生活を継続できる。 必要な見守りを受けながら、自分で行える排泄動作を継続できる。 排泄動作を工程ごとに確認し、自分でできる部分は見守り、危険な場面のみ支援する。
便秘によるお腹の張りや不快感を減らし、無理なく排便したい。 本人に合った排便リズムが整い、便秘による不快感を少なくして生活できる。 排便日や便性状を確認し、排便パターンを把握できる。 排便状況や腹部不快感を確認し、状態変化を関係者で共有する。
食事や水分を取り、体を動かしながら体調を整えたい。 本人に合った生活習慣を続け、安定した体調で生活できる。 食事・水分・活動状況を確認し、生活リズムを保つことができる。 食事・水分摂取、活動量、排便状況等を確認し、無理のない活動機会を確保する。
妻もすべて介助せず、本人ができる排泄動作を見守りたい。 本人の排泄能力が活かされ、妻も過度な介助負担なく生活できる。 自分でできる部分と介助が必要な場面を共有できる。 排泄能力と必要な支援を整理し、家族と共有する。

パーキンソン病・便秘・排泄動作のケアプランで意識したいポイント

便秘だけを単独で見ない

排便回数だけではなく、便性状、腹部不快感、食事・水分、活動量、生活リズム、服薬状況等を合わせて確認します。

排泄動作を工程ごとに評価する

トイレまで歩く、方向転換する、衣類を下げる、便座へ座る、排泄する、拭く、衣類を上げる、立ち上がるなど、どの工程に支援が必要かを具体的に確認します。

動作が遅いだけで全介助にしない

時間をかければ本人自身で行える動作もあります。介護者が待つ時間を確保し、本人が自分で行える部分を残します。

トイレ環境も確認する

便座の高さ、手すり、移動経路、方向転換するスペース等によって排泄のしやすさが変わる場合があります。本人の身体機能だけでなく、環境側も確認します。

排便リズムを把握する

排便しやすい時間帯や食事との関係など、本人なりの排便パターンがある場合があります。無理に一定の時間へ合わせるのではなく、本人の生活リズムを確認します。

水分・食事・活動を生活全体で見る

便秘対策だけを目的にするのではなく、本人が普段どの程度水分を取り、食事をし、体を動かしているのかを確認します。本人の体調や医療上の制限等も踏まえて考えます。

薬の調整は医療職と連携する

排便状態が変化した際にも、下剤等を家族や介護職だけの判断で増減せず、実際の排便状況を整理して必要に応じて主治医・薬剤師等へ相談します。

文例を使うときのポイント

  • 排便回数だけでなく便性状や不快感も確認する
  • 食事・水分・活動量等の生活状況を把握する
  • 排泄動作を工程ごとに確認する
  • トイレ内の立ち座りや方向転換を見る
  • 本人が自分でできる動作を残す
  • 便座や手すり等の環境も確認する
  • 家族が先回りして介助しすぎていないかを見る
  • 服薬の変更は医療職と相談する

まとめ

パーキンソン病のある利用者に便秘や排泄動作の難しさがみられる場合には、「便を出すこと」だけでなく、本人がどのようにトイレを使用しているのかを具体的に確認することが重要です。

本人が行える移動や衣類操作等を活かしながら、安全上必要な部分のみ支援します。また、排便状況だけでなく食事・水分・活動量等を生活全体から確認し、本人に合った排便リズムを考えます。

排泄の自立と便秘による不快感の軽減、家族の介護負担をバランスよく考えることで、本人の尊厳を大切にしたケアプランにつながります。

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