通所介護計画書の書き方|そのまま使える文例と作成ポイント

通所介護計画書を作成するとき、「長期目標と短期目標をどう分けるか」「ケアプランの内容をどこまで反映するか」「サービス内容が毎回同じ表現になる」と悩むことがあります。

通所介護計画書で大切なのは、デイサービスで行うことを並べるだけではなく、利用者がどのような生活を続けたいのかを確認し、そのために通所介護で何を支援するのかを具体化することです。

このページでは、本人・家族の意向、長期目標・短期目標、具体的なサービス内容、評価・見直しまで、実際の作成順に沿って文例とともに解説します。

このページで分かること

  • 通所介護計画書を作成する基本的な順番
  • 本人・家族の意向の書き方
  • 長期目標と短期目標の違い
  • 生活目標につながるサービス内容の書き方
  • 完成形に近い記入例
  • 評価・見直しで確認したいポイント

通所介護計画書とは

通所介護計画書は、利用者の心身の状況や希望、生活環境を踏まえ、デイサービスでどのような目標を持ち、どのような支援を行うのかを具体化する計画書です。

居宅サービス計画(ケアプラン)が作成されている場合は、その内容との整合性を確認したうえで作成します。

重要なのは、ケアプランの文章をそのまま転記することではありません。ケアプランに示された生活上の課題や目標に対して、「通所介護では何を担うのか」まで具体化することが通所介護計画書の役割です。

指定通所介護の運営基準では、利用者の心身の状況、希望、置かれている環境を踏まえ、機能訓練等の目標と、その目標を達成するための具体的なサービス内容等を記載することが求められています。

厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」

通所介護計画書を書く前に確認する5つの情報

いきなり目標から書き始めると、「筋力を維持する」「安全に過ごす」といった抽象的な計画になりやすくなります。まずは次の5点を整理します。

  1. 本人が続けたい生活
  2. 家族が希望していること
  3. 現在できていること
  4. 生活の中で困っていること
  5. デイサービスが担う役割

例えば「歩行時にふらつきがある」という情報だけでは目標は決まりません。

その利用者が「自分でトイレへ行きたい」のか、「妻と買い物へ行きたい」のか、「玄関まで自分で歩きたい」のかによって、同じ歩行支援でも目標の書き方は変わります。

通所介護計画書の書き方|5つの手順

① 本人・家族の意向を確認する

最初に確認したいのは、本人と家族がどのような生活を希望しているかです。

介助量や疾患だけから目標を決めるのではなく、本人が「何を続けたいのか」「何ができるようになりたいのか」を確認します。

本人の意向 文例
できることは自分で続けながら、住み慣れた自宅で生活したい。
本人の意向 文例
歩く力をできるだけ保ち、自分でトイレへ行ける生活を続けたい。
家族の意向 文例
転倒に注意しながら、本人ができることはできるだけ自分で続けてほしい。
家族の意向 文例
デイサービスを利用しながら体調を整え、家族と無理なく在宅生活を続けてほしい。

本人と家族の希望が異なる場合は、一方に合わせるのではなく、それぞれの意向を確認したうえで支援方法を検討します。

② 生活上の課題を整理する

次に、「デイサービスで何をするか」ではなく、現在の生活で何に困っているのかを整理します。

例えば、単に「下肢筋力が低下している」と考えるだけではなく、生活場面までつなげます。

状態 生活上の課題として考える例
立ち上がりが不安定 自宅の椅子やトイレからの立ち上がりに時間がかかる
歩行時にふらつく 居室からトイレまでの移動に転倒への不安がある
更衣に時間がかかる 入浴後の着替えに介助が必要になっている
外出が減っている 他者との交流や活動の機会が少なくなっている
認知機能の低下 予定が分からなくなると不安が強くなる

③ 長期目標を設定する

長期目標は、一定期間を通してどのような生活を続けたいのかをイメージして設定します。

「筋力向上」「機能訓練を行う」だけでは、サービス提供者側の目標になってしまいます。

自宅内を安全に移動し、必要な場所へ自分で行ける生活を継続できる。
必要な支援を受けながら入浴や更衣を行い、清潔な生活を継続できる。
現在の移動能力を保ち、家族との外出や地域での生活を継続できる。
安心してデイサービスを利用し、外出や他者との交流機会を継続できる。

長期・短期目標をさらに探したい場合は、通所介護計画書の長期目標・短期目標の文例集も参考にしてください。

④ 短期目標を設定する

短期目標は、長期目標へ近づくために、現在の状態から取り組める具体的な目標にします。

評価するときに「できたか」「どの程度変化したか」を確認できる表現にすると、計画の見直しもしやすくなります。

手すりを使用し、見守りで椅子から安定して立ち上がることができる。
歩行器を使用し、居室からトイレまで安定して移動できる。
入浴時に、自分で行える洗身・更衣動作を継続できる。
職員の声かけを受けながら活動へ参加し、安心してデイサービスで過ごすことができる。
定期的に通所し、他者との交流や外出の機会を継続できる。

⑤ 具体的なサービス内容を書く

サービス内容では、目標に対して「何を行うか」「どこを確認するか」「どのように支援するか」が分かるようにします。

「機能訓練を行う」「入浴介助を行う」だけで終わらせず、本人の状態と生活目標につながる内容にします。

機能訓練

自宅内での移動を継続できるよう、立ち上がり、立位保持、方向転換、歩行の状態を確認し、身体状況に合わせて下肢機能訓練や歩行練習を実施する。

入浴

本人が行える洗身、更衣動作は見守りを基本とし、浴室内の移動や浴槽出入りなど安全確保が必要な部分を介助する。

排泄

本人の排泄リズムと訴えを確認し、必要なタイミングでトイレへ移動できるよう支援する。移動、方向転換、便座への立ち座りは状態に応じて見守りまたは介助を行う。

排泄支援を詳しく作成したい場合は、排泄・トイレ動作の目標・サービス内容文例も参考にしてください。

食事・水分

食事時の姿勢、食事量、水分摂取量、むせの有無等を確認し、本人ができるだけ自分で食事を続けられるよう環境と介助方法を調整する。

食事支援の文例は、食事・栄養の目標・サービス内容文例にまとめています。

認知症・不安への支援

来所時の表情や言動を確認し、不安がみられる場合は本人が理解しやすい言葉で次の予定を伝える。なじみの活動や落ち着いて過ごせる環境を整え、本人のペースで活動へ参加できるよう支援する。

認知症のある方への計画例は、認知症の目標・サービス内容文例も参考にしてください。

長期目標・短期目標・サービス内容は一本につなげる

質の高い通所介護計画書では、「長期目標」「短期目標」「サービス内容」が別々に存在するのではなく、一つの流れになっています。

項目 記入例
本人の希望 自分でトイレへ行ける生活を続けたい
長期目標 自宅内を安全に移動し、自分のタイミングでトイレを利用できる
短期目標 手すりを使用し、見守りでトイレまで移動できる
サービス内容 立ち上がり・方向転換・歩行状態を確認し、下肢機能訓練と歩行練習を実施する

このように、「何のために支援するのか」が一貫していると、職員間でも支援の目的を共有しやすくなります。

通所介護計画書の完成例

参考ケース

  • 要介護1
  • 妻と二人暮らし
  • 屋内は杖を使用
  • 立ち上がりと方向転換時にふらつきあり
  • 最近は転倒への不安から外出機会が減少
  • 本人はできるだけ自宅生活を続けたいと希望

本人・家族の意向

本人:自分で歩ける状態を保ち、できることはこれからも自分で続けながら自宅で生活したい。

家族:転倒に注意しながら、安全に自宅での生活を続けてほしい。

長期目標

歩行能力を維持し、自宅内を安全に移動しながら妻と在宅生活を継続できる。

短期目標

① 手すりや杖を使用し、椅子から安定して立ち上がることができる。
② 杖を使用し、見守りで安定して短距離を歩行できる。
③ 定期的にデイサービスへ通い、運動や他者との交流機会を継続できる。

具体的なサービス内容

・来所時に体調、血圧、疲労感等を確認し、その日の状態に合わせて活動量を調整する。
・立ち上がり、立位保持、方向転換、歩行時のふらつきを確認する。
・身体状況に合わせて下肢機能訓練、バランス練習、歩行練習を実施する。
・移動時は杖の使用状況と足元を確認し、必要に応じて見守りを行う。
・本人が興味を持てる活動を提案し、無理のない範囲で他利用者との交流機会を確保する。

よくある書き方と改善例

抽象的になりやすい表現 改善例
筋力を向上する 立ち上がりと歩行能力を維持し、自宅内を安全に移動できる
転倒しない 手すりや歩行補助具を使用し、必要な場所まで安定して移動できる
機能訓練を行う 立ち上がり、方向転換、歩行状態を確認し、生活動作につながる訓練を実施する
入浴介助を行う 本人が行える洗身・更衣は見守り、浴槽出入りなど難しい部分を介助する
他者交流を促す 本人が興味を持てる活動を通して、無理なく他者と関われる機会をつくる
安全に過ごす 移動や活動時の状態を確認し、必要な場面で見守りや環境調整を行う

通所介護計画書の評価・見直しで確認したいこと

計画書は作成して終わりではありません。サービス提供後の状態を確認し、目標や支援内容が現在の利用者に合っているかを見直します。

評価では、単に「達成・未達成」だけを見るのではなく、次の点を確認すると次回の計画につながりやすくなります。

  • 本人の希望に変化はないか
  • できるようになった動作はあるか
  • 以前より難しくなった動作はあるか
  • 介助量や見守り量に変化はないか
  • サービス内容が現在の目標につながっているか
  • 目標設定が高すぎたり低すぎたりしないか
  • 家族の介護状況や生活環境に変化はないか
評価文例
杖を使用した歩行は継続できており、施設内では見守りで安定して移動できている。方向転換時には軽度のふらつきが残るため、現在の歩行練習と見守りを継続する。本人からも「できるだけ自分で歩きたい」と希望が聞かれており、目標は継続とする。
評価文例
立ち上がり時のふらつきが増え、見守りのみでは不安定な場面がみられるようになった。現在の身体状況を踏まえ、短期目標と介助方法を見直し、安全に行える方法へ変更する。

作成・更新時の確認には、通所介護計画書 作成・見直し確認シートも利用できます。

目標達成度や支援の効果を文章にまとめる際は、通所介護計画書の評価・目標達成度の記入例も参考にしてください。

通所介護計画書を作成するときのポイント

  • ケアプランとの整合性を確認する
  • 本人の希望を出発点にする
  • 家族の意向も分けて確認する
  • 「機能」だけでなく「生活」までつなげる
  • 目標とサービス内容を一致させる
  • 本人ができる部分まで介助内容にしない
  • 評価できる具体性を持たせる
  • 状態変化に合わせて見直す

文例は便利ですが、そのまま全利用者へ当てはめるものではありません。同じ疾患や要介護度でも、本人が続けたい生活、住宅環境、家族状況、できる動作は異なります。

「この人が今の生活を続けるために、デイサービスでは何を支えるのか」という視点で文章を調整することが、実際の支援につながる通所介護計画書を作るポイントです。

通所介護計画書の関連文例

まとめ

通所介護計画書では、本人・家族の意向とケアプランを踏まえ、長期目標、短期目標、具体的なサービス内容を一つの流れとして組み立てることが重要です。

「筋力をつける」「入浴介助を行う」といったサービス側の表現だけで終わらせず、その支援によって本人がどのような生活を続けたいのかまで考えると、計画書の内容が実際の支援につながります。

このページの文例はそのまま転記するのではなく、本人の希望、身体状況、認知機能、生活環境、家族状況に合わせて調整して使用してください。

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