脳梗塞後遺症による左片麻痺がある利用者では、衣類の袖通しやボタン操作に時間がかかり、家族が全介助しやすくなります。
着替えの速さではなく、安定した座位、衣類の選択、片手でできる工程、本人が援助を求める方法を評価することが重要です。
ここでは、右手と前開き衣類を使い、自分で服を選んでデイサービスへ行く準備をしたい利用者を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 元洋品店勤務で、色合わせと身だしなみを大切にしてきた
- 背もたれ椅子で二十分程度座位を保てる
- 右手で衣類を広げ、左袖から通す手順を理解している
- 大きなボタンは右手で留められる
- ズボンを膝まで上げた後の立位操作に介助を要する
- 本人は服を自分で選び、できる工程を続けたい
- 夫は立位時だけ支えたい
座位、麻痺側上肢の扱い、衣類の形、ボタン、下衣操作、本人の好み、必要な準備時間を確認してください。
※麻痺側の肩の痛みや皮膚の異常がある場合は無理に動かさず、必要に応じて医療・リハビリテーション等の専門職へ相談してください。
利用者像の例
- 72歳・女性・要介護2
- 夫と二人暮らし
- 脳梗塞後遺症による左片麻痺がある
- 元洋品店勤務で、色合わせと身だしなみを大切にしてきた
- 背もたれ椅子で二十分程度座位を保てる
- 右手で衣類を広げ、左袖から通す手順を理解している
- 大きなボタンは右手で留められる
- ズボンを膝まで上げた後の立位操作に介助を要する
- 本人は服を自分で選び、できる工程を続けたい
- 夫は立位時だけ支えたい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
左袖から通せば上着は自分で着られるので、服を選び、できるところは自分で準備したい。
家族の意向
おすすめ文例
時間を取って本人の手順を待ち、ズボンを上げるときの立位だけ支えたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は夫と暮らし、元洋品店勤務として培った色合わせを楽しみ、自分で服を選んでデイサービスへ出かけたいと希望している。
左片麻痺があるが、背もたれ椅子で座位を保ち、右手で衣類を広げ、左袖から通す手順で上衣を着られる。
大きなボタンは右手で留められ、ズボンは膝まで上げられるが、立位で腰まで引き上げる際に支えを要する。
本人の衣類選択と片手動作を待ち、夫は立位操作のみ支える役割分担が必要である。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が衣類を選び、右手と習得した手順で更衣する力を活かして朝の準備を続けられるよう支援する。衣類を手の届く順に並べ、背もたれ椅子で上衣と下衣を着用し、十分な準備時間を確保する。夫は麻痺側上肢を無理に引かず、本人の依頼後に立位と下衣の最終操作のみ支援する。
別の表現|短めにまとめたい場合
本人が使いやすい手と工夫した手順で着替えを続けられるよう、衣類や環境を整える。家族は本人の判断を尊重し、難しい部分だけを補う。
第2表の文例
短時間で着替えることではなく、本人が服を選び、片手でできる工程を行い、必要な介助範囲を決められることを目標にします。
課題① 自分で服を選び、右手で上着を着たい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
自分で服を選び、右手で上着を着たい。
長期目標
本人の好みを反映した更衣を継続できる。
短期目標
二組から服を選び、左袖から通して前開き上衣を着られる。
サービス内容
衣類を見やすく並べ、背もたれ椅子を準備し、本人の片手動作を急かさず待つ。
課題② できるボタン操作は自分で行いたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
できるボタン操作は自分で行いたい。
長期目標
右手の機能を活かして整容動作へ参加できる。
短期目標
大きなボタンを下から順に留め、鏡でずれを確認できる。
サービス内容
大きなボタンの衣類と卓上鏡を準備し、難しい箇所のみ本人へ確認して支援する。
課題③ 必要な部分だけ夫に頼み、安全に着替えを終えたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
必要な部分だけ夫に頼み、安全に着替えを終えたい。
長期目標
夫婦の役割分担で転倒なく更衣できる。
短期目標
ズボンを膝まで上げた後、夫へ合図して立位で腰まで引き上げられる。
サービス内容
立位前に足底と手すりを確認し、夫は合図後に体幹を支え、下衣操作を補助する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 自分で服を選び、右手で上着を着たい。 | 本人の好みを反映した更衣を継続できる。 | 二組から服を選び、左袖から通して前開き上衣を着られる。 | 衣類を見やすく並べ、背もたれ椅子を準備し、本人の片手動作を急かさず待つ。 |
| できるボタン操作は自分で行いたい。 | 右手の機能を活かして整容動作へ参加できる。 | 大きなボタンを下から順に留め、鏡でずれを確認できる。 | 大きなボタンの衣類と卓上鏡を準備し、難しい箇所のみ本人へ確認して支援する。 |
| 必要な部分だけ夫に頼み、安全に着替えを終えたい。 | 夫婦の役割分担で転倒なく更衣できる。 | ズボンを膝まで上げた後、夫へ合図して立位で腰まで引き上げられる。 | 立位前に足底と手すりを確認し、夫は合図後に体幹を支え、下衣操作を補助する。 |
脳梗塞後遺症・左片麻痺の更衣ケアプランで意識したいポイント
衣類選択を本人に残す
介助しやすい服だけに限定せず、本人の好みと扱いやすさを両立します。
習得した順序を統一する
麻痺側から袖を通すなど、本人が行いやすい手順を家族・支援者で共有します。
立位介助の範囲を限定する
座位でできる工程まで奪わず、転倒リスクが高い下衣の最終操作のみ支援します。
文例を使うときのポイント
- 安定した更衣座位を確認する
- 麻痺側上肢の痛みを確認する
- 扱いやすい衣類を本人と選ぶ
- 十分な準備時間を確保する
- 介助が必要な工程を限定する
まとめ
左片麻痺の更衣では、衣類選択、座位、片手動作、立位操作を工程ごとに評価します。
本人の手順を待ち、夫が必要な部分だけ支えることで、身だしなみと外出準備の主体性を守る計画になります。
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