脳出血後遺症による半側空間無視がある利用者では、食卓の片側にある料理へ気づきにくく、食べ残しや物への接触が生じることがあります。
見えていないと決めつけず、どの位置なら気づくか、自分で確認する合図を使えるか、疲労で変化するかを評価することが重要です。
ここでは、左側に気づきにくいものの、皿の赤い目印をたどれば一周確認でき、家族と食卓を囲みたい利用者を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 家族の食卓で孫の話を聞く時間を大切にしている
- 正面から右側の料理には自分で気づける
- 皿の縁に赤い目印があると右から左へ視線を移せる
- 食事前に左手をテーブルへ置くと左側を意識しやすい
- 食事後半は疲労で左側の確認が減る
- 本人は家族と同じ料理を自分で食べたい
- 長女は合図だけ行い、すぐ皿を回さないようにしたい
気づきにくい側、視線探索、皿と物品の配置、合図、食事後半の疲労、本人が自分で確認できる方法を評価してください。
※食事中のむせ、意識の変化、急な症状悪化がある場合は、速やかに医療職へ相談してください。
利用者像の例
- 75歳・女性・要介護2
- 長女家族と同居
- 脳出血後遺症による左半側空間無視がある
- 家族の食卓で孫の話を聞く時間を大切にしている
- 正面から右側の料理には自分で気づける
- 皿の縁に赤い目印があると右から左へ視線を移せる
- 食事前に左手をテーブルへ置くと左側を意識しやすい
- 食事後半は疲労で左側の確認が減る
- 本人は家族と同じ料理を自分で食べたい
- 長女は合図だけ行い、すぐ皿を回さないようにしたい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
左側を忘れることはあるが、赤い印を見れば確認できるので、家族と同じ食卓で自分で食べたい。
家族の意向
おすすめ文例
すぐに皿を動かさず、赤い印を見てと声をかけ、本人が左側へ目を向けるのを待ちたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は長女家族と暮らし、孫の話を聞きながら家族と同じ食卓で食事を続けたいと希望している。
左半側空間無視があるが、正面から右側の料理には気づき、皿の縁の赤い目印を右から左へたどると全体を確認できる。
食事前に左手をテーブルへ置くと左側を意識しやすい一方、食事後半は疲労により確認が減る。
家族は皿をすぐ動かさず、本人と決めた短い合図を用い、自分で視線を移す時間を確保する必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が赤い目印と左手の位置を手がかりに、食卓全体を自分で確認して食事できるよう支援する。食器配置を一定にし、食事開始前と後半に本人が右から左へ一周確認する手順を共有する。家族は本人と同じ食卓を囲み、決めた合図後に視線移動を待ち、必要時のみ食器位置を調整する。
別の表現|短めにまとめたい場合
見えにくい側にも気づけるよう食器配置や声かけを工夫し、本人が落ち着いて食事を続けられるよう支援する。食事状況を共有し、必要以上に手を出さず安全を確保する。
第2表の文例
左側の食器を他者が動かすことではなく、本人が手がかりを使って自分で食卓全体を確認し、家族と食事できることを目標にします。
課題① 赤い目印をたどり、食卓全体を自分で確認したい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
赤い目印をたどり、食卓全体を自分で確認したい。
長期目標
本人が手がかりを使い、左右の料理へ気づける。
短期目標
食事開始時に皿の縁を右から左へ視線で一周確認できる。
サービス内容
皿の左端に赤い目印を付け、正面から短い合図を行い、本人の視線移動を待つ。
課題② 食事後半も左側を確認し、食べ残しを自分で確かめたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
食事後半も左側を確認し、食べ残しを自分で確かめたい。
長期目標
疲労時にも必要な確認を行い、自分のペースで食事できる。
短期目標
食事後半に一度休憩し、左手をテーブルへ置いて皿を再確認できる。
サービス内容
二十分を目安に休憩を提案し、本人が再確認後に食事を続けるか終了するかを選べるようにする。
課題③ 家族と同じ食卓で、会話を楽しみながら食べたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
家族と同じ食卓で、会話を楽しみながら食べたい。
長期目標
家族との食事交流を継続できる。
短期目標
孫が見える位置に座り、食事と会話を一時間以内で楽しめる。
サービス内容
刺激が多くなりすぎない席を本人と決め、家族は一度に複数の声かけを行わない。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 赤い目印をたどり、食卓全体を自分で確認したい。 | 本人が手がかりを使い、左右の料理へ気づける。 | 食事開始時に皿の縁を右から左へ視線で一周確認できる。 | 皿の左端に赤い目印を付け、正面から短い合図を行い、本人の視線移動を待つ。 |
| 食事後半も左側を確認し、食べ残しを自分で確かめたい。 | 疲労時にも必要な確認を行い、自分のペースで食事できる。 | 食事後半に一度休憩し、左手をテーブルへ置いて皿を再確認できる。 | 二十分を目安に休憩を提案し、本人が再確認後に食事を続けるか終了するかを選べるようにする。 |
| 家族と同じ食卓で、会話を楽しみながら食べたい。 | 家族との食事交流を継続できる。 | 孫が見える位置に座り、食事と会話を一時間以内で楽しめる。 | 刺激が多くなりすぎない席を本人と決め、家族は一度に複数の声かけを行わない。 |
脳出血後遺症・半側空間無視のケアプランで意識したいポイント
気づける条件を探す
目印、手の位置、声かけ、物品配置によって本人が自分で気づける条件を確認します。
代わりに直しすぎない
家族が毎回皿を回すのではなく、本人が視線を移す時間を確保します。
疲労による変化を見る
食事前半と後半で注意の広がりが変わるため、休憩と再確認を計画します。
文例を使うときのポイント
- 気づきにくい側を確認する
- 視線探索の手がかりを決める
- 食器配置を一定にする
- 食事後半の疲労を見る
- 本人の再確認を待つ
まとめ
半側空間無視がある場合は、どの手がかりなら本人が気づき、自分で確認できるかを具体的に評価します。
目印、短い合図、休憩を組み合わせ、家族と食卓を囲みながら主体的に食事できる計画にします。
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