脳梗塞後遺症で麻痺側の肩に痛みがある利用者では、更衣時に腕を強く引かれ、痛みへの不安から着替えへの参加が減ることがあります。
痛みの有無だけでなく、楽な位置、本人が動かせる範囲、衣類の形、介助を止める合図を確認することが重要です。
ここでは、右手で左腕を支え、前開き上衣へ左袖から通す方法で、痛みを伝えながら朝の更衣を続けたい利用者を例に紹介します。
この記事が参考になるケース
- 外出時の服装を自分で選ぶことを大切にしている
- 安静時の痛みは少なく更衣時に痛みが出やすい
- 右手で左前腕を支えられる
- 前開きでゆとりのある上衣を選べる
- 左袖から通す手順を理解している
- 痛い、止めて、もう少しの言葉で介助を調整できる
- 本人は服を選びできる動作を続けたい
- 長女は麻痺側上肢を引かず本人の合図を待ちたい
痛みが出る動作、楽な位置、本人が動かせる範囲、衣類、支持方法、中止の合図を確認し、専門職と介助方法を共有してください。
※急な強い痛み、腫れ、熱感、皮膚色の変化等がある場合は無理に動かさず、医療・リハビリテーション等の専門職へ相談してください。
利用者像の例
- 78歳・女性・要介護2
- 長女と二人暮らし
- 脳梗塞後遺症による左片麻痺と肩の痛みがある
- 外出時の服装を自分で選ぶことを大切にしている
- 安静時の痛みは少なく更衣時に痛みが出やすい
- 右手で左前腕を支えられる
- 前開きでゆとりのある上衣を選べる
- 左袖から通す手順を理解している
- 痛い、止めて、もう少しの言葉で介助を調整できる
- 本人は服を選びできる動作を続けたい
- 長女は麻痺側上肢を引かず本人の合図を待ちたい
本人・家族の意向の文例
本人の意向
おすすめ文例
左腕は痛むことがあるが、右手で支えて左袖から通せるので、服を選んで自分で着替えたい。
家族の意向
おすすめ文例
左腕を引っ張らず、本人の痛い、止めての合図を聞きながら必要なところだけ手伝いたい。
第1表の文例
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果
おすすめ文例
本人は長女と暮らし、外出時の服を自分で選び、痛みに配慮しながら朝の更衣へ参加したいと希望している。
左肩は更衣時に痛みが出やすいが、右手で左前腕を支え、前開き上衣の左袖から通す手順を理解している。
痛い、止めて、もう少しと言葉で介助量を調整でき、ゆとりのある衣類を選べる。
長女は麻痺側上肢を引かず、専門職と共有した支持方法を用い、本人の中止合図を尊重する必要がある。
総合的な援助の方針
おすすめ文例
本人が衣類を選び、右手で麻痺側上肢を支える力を活かして更衣へ参加できるよう支援する。前開きでゆとりのある衣類を用い、安定した座位で左袖からゆっくり通す。長女は本人の言葉を確認し、痛みが出る動作を中止して、変化時は専門職へ共有する。
別の表現|短めにまとめたい場合
麻痺側の肩の痛みに配慮し、本人が無理なく更衣を続けられる手順を整える。痛みや動きの変化を共有し、必要に応じて医療・リハビリ職へ相談する。
第2表の文例
痛みを我慢して着替えることでも全介助にすることでもなく、本人が合図し、できる動作を行いながら安全に更衣できることを目標にします。
課題① 痛みに配慮した衣類を自分で選びたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
痛みに配慮した衣類を自分で選びたい。
長期目標
本人の好みと身体状況に合う服装を選べる。
短期目標
前開きでゆとりのある上衣を二着から選べる。
サービス内容
衣類を本人の正面へ置き、色と形を説明して本人の選択を待つ。
課題② 右手で左腕を支え、できる更衣動作を続けたい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
右手で左腕を支え、できる更衣動作を続けたい。
長期目標
麻痺側肩へ過度な負担をかけず上衣を着られる。
短期目標
右手で左前腕を支え、左袖から通せる。
サービス内容
安定した椅子を使い、長女は麻痺側上肢を引かず、衣類だけをゆっくり動かす。
課題③ 痛みを言葉で伝え、介助を調整してほしい。
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
痛みを言葉で伝え、介助を調整してほしい。
長期目標
本人の訴えが更衣介助へ反映される。
短期目標
痛い、止めて、もう少しの言葉で希望を示せる。
サービス内容
介助前に合図を確認し、止めての訴えがあれば直ちに動作を中止して状態を確認する。
第2表の完成イメージ
上の文例をつなげると、実際の第2表では次のような形になります。
※表は全体のつながりを確認するためのものです。文章をコピーするときは、上の各文例にあるコピーボタンを利用してください。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
|---|---|---|---|
| 痛みに配慮した衣類を自分で選びたい。 | 本人の好みと身体状況に合う服装を選べる。 | 前開きでゆとりのある上衣を二着から選べる。 | 衣類を本人の正面へ置き、色と形を説明して本人の選択を待つ。 |
| 右手で左腕を支え、できる更衣動作を続けたい。 | 麻痺側肩へ過度な負担をかけず上衣を着られる。 | 右手で左前腕を支え、左袖から通せる。 | 安定した椅子を使い、長女は麻痺側上肢を引かず、衣類だけをゆっくり動かす。 |
| 痛みを言葉で伝え、介助を調整してほしい。 | 本人の訴えが更衣介助へ反映される。 | 痛い、止めて、もう少しの言葉で希望を示せる。 | 介助前に合図を確認し、止めての訴えがあれば直ちに動作を中止して状態を確認する。 |
脳梗塞後遺症・麻痺側肩痛のケアプランで意識したいポイント
麻痺側上肢を引かない
家族・支援者で専門職から示された支持方法を共有します。
本人の合図を介助へ反映する
痛い、止めて等の言葉を事前に決め、訴えがあれば動作を中止します。
服装の選択を残す
介助しやすさだけで衣類を決めず、本人の好みと痛みへの配慮を両立します。
文例を使うときのポイント
- 痛みが出る動作を確認する
- 専門職の支持方法を共有する
- ゆとりのある前開き衣類を選ぶ
- 本人の中止合図を決める
- 急な変化は医療職へ相談する
まとめ
麻痺側肩痛がある更衣では、痛みが出る動作、支持方法、衣類、本人の合図を具体的に確認します。
本人が服を選び、右手で左腕を支え、長女が必要な部分だけ補うことで、更衣への参加を続けられます。
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